研究課題/領域番号 |
23791313
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
遠藤 太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70515759)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / ミラーニューロン / 近赤外線スペクトロスコピー(NIRS) / オキシトシン受容体遺伝子 / セロトニン1A遺伝子 / 受容体TPH2遺伝子 / 発達障害 / 脳神経画像 / 分子遺伝 / 近赤外線スペクトロスコピー |
研究概要 |
本研究は、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いて自閉症スペクトラム障害(ASD)者の模倣中のミラーニューロン系(MNS)の活動を非侵襲的に測定し、定型発達者やASDサブタイプ間での差異を明らかにすると同時に、ASDの脳神経発達に関与する遺伝子多型とMNSの障害との関係を解明することで、ASDの超早期診断を可能にする生物学的指標を解明することを目的に行われた。模倣課題を用いたNIRS調査では、ASD者は定型発達者でみられた左前頭葉優位のMNS活動が消失していた。さらに、ASDの表現型への関与が想定される遺伝子多型解析では、オキシトシン受容体遺伝子多型がASDの模倣の障害およびMRスペクトロスコピーで想定した右内側側頭葉のN-アセチルアスパラギン酸/クレアチン比(神経細胞の成熟度の指標)の低下に、セロトニン1A受容体遺伝子多型が常同反復行動にそれぞれ関与することが明らかとなった。疾患との関連解析では、トリプトファンヒドロキシラーゼ2遺伝子におけるミスセンス変異を同定した。これらの遺伝子とNIRSで測定したMNS活動との関連も解析したが、有意な結果は得られなかった。本研究の結果より、幼小児期にASD者と定型発達者の間で違いが顕在化するMNSの障害をNIRSにて検出することが出来る可能性が示唆された。また、疾患やASDの表現型に関連する遺伝子多型のいくつかを同定することができた。これらの画像診断、遺伝子診断を組み合わせが、ASDの超早期診断を可能にする生物学的指標となりうる可能性が考えられた。
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