阻血障害肝切除後の転写因子活性抑制に伴う肝再生遅延機序へのPin1の関与の検討

• 研究課題/領域番号: 23791516
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 消化器外科学
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 久保木 知 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50571410)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• 研究課題ステータス: 完了 (2012年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2012年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円); 2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 肝臓外科学 / 術後肝再生

研究概要

高度障害肝ではPin1発現が低下するため、MIP-2発現は増強するにも拘らず、NF-kappaB活性は低下し、肝再生が抑制された。しかし、軽度障害肝ではPin1発現が維持されるため、MIP-2発現増強に伴いNF-kappaB活性は亢進し、肝切除後の肝再生が促進した。In vitroでも、正常肝細胞と比べて軽度障害肝細胞ではPin1発現は維持され、MIP-2刺激により肝細胞増殖シグナルは促進するが、高度障害肝細胞ではPin1発現低下に伴いNF-kappaB活性は抑制され、肝細胞増殖シグナルも抑制された。これより、術後障害肝の肝再生抑制にはPin1発現低下に伴うNF-kappaB活性抑制が関与することが示された。よって、術後の肝細胞内Pin1発現の維持が、術後肝再生抑制に伴う肝不全に対する有用な治療法となり得る。

研究成果

• [雑誌論文] Chylous Ascites After Hepato-Pancreato-Biliary Surgery (2013)
  • 著者名/発表者名: Kuboki S, et al
  • 雑誌名: Br J Surg 巻: 100(4) ページ: 522-527
• [雑誌論文] Chylous ascites after hepatopancreatobiliary surgery (2013)
  • 著者名/発表者名: Kuboki S, Yoshidome H, et al.
  • 雑誌名: Br J Surg 巻: 100 号: 4 ページ: 522-527
  • DOI: 10.1002/bjs.9013
  • 査読あり
• [雑誌論文] 「炎症と消化器癌」肝におけるPPAR-gamma活性亢進に伴う抗炎症作用の解明及び肝細胞癌におけるPPAR-gamma発現の意義 (2012)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 雑誌名: 消化器内科 巻: 54(6) ページ: 739-743
• [学会発表] Pin1 is decreased in ischemically damaged liver and suppressed liver regeneration after hepatectomy through the inhibition of Pin1-mediated NF-kappaB activation in hepatocytes (2013)
  • 著者名/発表者名: Kuboki S, et al
  • 学会等名: 48^<th> EASL 2013 (Oral e-poster session 選出)
  • 発表場所: Amsterdam, Netherlands
• [学会発表] 阻血障害肝切除後の転写因子活性抑制に伴う肝再生遅延機序へのPinlの関与の解明及びその対策 (2013)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 学会等名: 第113回日本外科学会総会
  • 発表場所: パネルディスカッション
• [学会発表] Inhibitory effects of peroxisome proliferator-activated receptor-gamma on tumor growth in human hepatocellular carcinoma: Usefulness as a prognostic predictor and therapeutic target (2012)
  • 著者名/発表者名: Kuboki S, et al
  • 学会等名: DDW 2013 (Poster session)
  • 発表場所: San Diego, USA
• [学会発表] 肝でのPin1を介したNF-kappaB活性とPPAR-gamma活性の均衡調節による酸化ストレス制御及び抗Pin1抗体の肝細胞癌に対する腫瘍増殖抑制機序の解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 学会等名: JDDW2012
  • 発表場所: パネルディスカッション
• [学会発表] 肝細胞癌における抗Pin1抗体のNF-kappaB活性抑制とPPAR-gamma活性亢進を介した腫瘍増殖抑制機序の解明及び分子標的治療薬としての可能性の追求 (2012)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 学会等名: 第67回日本消化器外科学会総会
  • 発表場所: ワークショップ
• [学会発表] 拡大肝切除及び肝移植術後の阻血障害肝再生抑制に伴う肝不全発生機序の解明及びその対策 (2012)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 学会等名: 第112回日本外科学会総会
  • 発表場所: サージカルフォーラム
• [学会発表] 肝におけるPPAR-gamma活性亢進に伴う抗炎症作用の解明および肝細胞癌におけるPPAR-gamma発現の意義の検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 久保木知, 他
  • 学会等名: JDDW2011
  • 発表場所: シンポジウム
• [学会発表] 拡大肝切除及び肝移植術後の阻血障害肝再生抑制に伴う肝不全発生機序の解明及びその対策
  • 著者名/発表者名: 久保木 知
  • 学会等名: 第112回日本外科学会総会（サージカルフォーラム）
  • 発表場所: 千葉（幕張）
• [学会発表] 阻血障害肝における切除後の転写因子活性抑制に伴う肝再生遅延機序へのPin1 の関与の解明及びその対策
  • 著者名/発表者名: 久保木 知
  • 学会等名: 第113回日本外科学会総会（パネルディスカッション）
  • 発表場所: 福岡（博多）
• [学会発表] Pin1 is decreased in ischemically damaged liver and suppressed liver regeneration after hepatectomy through the inhibition of Pin1-mediated NF-kB activation in hepatocytes.
  • 著者名/発表者名: Satoshi Kuboki
  • 学会等名: 48th EASL、oral e-Poster presentation
  • 発表場所: Amsterdam, Netherlands