研究課題/領域番号 |
23791743
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相澤 直樹 東京大学, 医学部付属病院, 特任助教 (80595257)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 排尿学 / 膀胱 / 求心性神経 |
研究概要 |
ラット膀胱における伸展受容一次求心性神経活動測定を行った。検討の結果、TRPV1とTRPV4はそれぞれ別の経路を介して膀胱伸展受容求心性神経活動を促進することを明らかにした。さらには、化学的膀胱炎を誘発する物質でありTRPA1受容体刺激薬にも分類されるacrolein(cyclophosphamideの主要代謝物)の膀胱内注入では、Aδ線維とC線維の両方の神経活動が促進され、内因性NO産生を増加させるNO基質であるL-arginineおよびPDE5阻害薬のtadalafilの投与によって、それらが抑制しうることを明らかにした。また近年、膀胱の微小収縮(microcontraction)が膀胱求心性神経活動の促進に関与することが示唆されている。この微小収縮による求心性神経活動の促進機構が、過活動膀胱の主症状である尿意切迫感発現の背景にある病態メカニズムの一つとする興味深い仮説がある。我々が行った検討の結果、新規過活動膀胱治療薬であるアドレナリンβ3受容体作動薬ミラベグロンが、ラットにおいて、膀胱微小収縮を抑制し、同時に伸展受容求心性神経活動のうち主にAδ線維を抑制し得ることを明らかにした。このことは、β3作動薬が過活動膀胱症状を改善する作用機序として、この微小収縮による求心性神経活動の促進機構に対する抑制作用が関与することを示唆するものと考えている。さらに、膀胱の微小収縮ではなく、脊髄反射を介した膀胱収縮(等容量性律動性膀胱収縮)とそれに同期する求心性神経活動の測定法を確立した。その結果、ラット膀胱の伸展受容求心性神経のうち、AδとC線維の両者が、"伸展"のみではなく"収縮"にも応答することが示された。
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