研究課題/領域番号 |
23792099
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2012年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2011年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 癌 / 病理学 / アポトーシス / 細胞・組織 / 貪食 / 口腔癌 / MFG-E8 |
研究概要 |
口腔扁平上皮癌(SCC)の病理診断において、癌細胞内にアポトーシス癌細胞が存在する所見にしばしば遭遇するが、本現象の病理学的意義は不明である。そこで、「アポトーシス癌細胞は貪食専門細胞によって処理されるだけでなく、同種間貪食によっても処理される」という仮説をたて、アポトーシス細胞貪食に関与する候補分子としてMFG-E8に注目し、以下の検討を行った。口腔SCC手術材料を用いてMFG-E8の発現様式を検索したところ、アポトーシス癌細胞にMFG-E8陽性が強調され、その一部は生活癌細胞の細胞質内に存在していた。また、癌細胞におけるMFG-E8高発現が腫瘍進展に相関することが示された。口腔SCC細胞株を用いた試験管内実験では、SCC細胞株でMFG-E8が高発現しており、アポトーシスを誘導した細胞と共培養すると、SCC細胞はアポトーシス細胞を貪食し、リコンビナントMFG-E8添加により貪食が増強された。また、siRNA法によってMFG-E8発現を抑制すると、アポトーシスの亢進とともに、癌細胞の細胞増殖と浸潤性が低下した。以上の実験結果から、アポトーシスをきたした癌細胞は同種癌細胞によって貪食処理されるが、その貪食にはMFG-E8が関与していることが判明した。さらに、アポトーシス癌細胞を貪食した癌細胞ではMFG-E8の発現が上昇し、その結果、貪食癌細胞の増殖浸潤能が増強されることも確認した。
|