研究概要 |
本研究では HA と Ti を混合させた複合材料を圧縮せん断法によって作製し,その特性を明確にするとともに,この複合材料への培養骨芽細胞 MC3T3-E1 の接着・増殖性を検討した. 1100℃で焼結した HA 分散 Ti 基複合プレート上に MC3T3-E1 細胞を播種して培養したところ,HA 体積含有率の増加に従って,MC3T3-E1 細胞の接着・増殖が抑制された.この抑制作用は,材料からの溶出成分によるものではなく,材料表面の性状に起因することも原因と考えられた.これらの結果から,本実験に用いた HA は細胞接着・増殖を抑制する作用を認め,焼結温度 1100℃のHA から部分的な分解により生成された他の物質が,細胞の接着・増殖を促進する可能性が示唆された.アパタイトの性状によって,細胞増殖活性は全く異なる可能性が示唆された.
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