研究概要 |
「大迫研究」のコホート集団(岩手県花巻市大迫町に在住の55歳以上の地域一般住民)を対象として,医科・歯科検診から得られるデータを基に慢性感染症の代表ともいえる歯周病と動脈硬化のリスクファクターとの関連を調査した.研究期間内の検診受診者は221名で,大迫研究に歯科検診が導入された2005年からの受診者の延べ人数は982名となった.このうち,約4年の期間をおいて複数回受診した者は234名であった.ここからさらに無歯顎者などを除外し,データ集計の完了している73名を対象に統計解析を行った.その結果,カイ二乗検定(フィッシャーの正確確率検定)において,歯周病重症群(歯周ポケット最大値7mm以上)で有意にウエスト径が増加しており,歯周病が動脈硬化のリスクファクターである肥満の進行に関連している可能性が示唆された.
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