本研究の目的は,地域で暮らす精神障害者のリカバリーに影響する要因を明らかにすることである。地域で暮らす精神障害者361名を対象にアンケート調査を実施した。調査項目のリカバリーは24項目版 Recovery Assessment Scale 日本語版を用いた。その影響要因を個人属性,自覚する病気の状況,活動に関する要因,心理・社会的要因で構成した。 重回帰分析の結果,楽観主義,情緒的支援ネットワーク認知,趣味や楽しみの3項目がリカバリーに影響力を持つ変数として採択された。リカバリーは,疾病の治癒ではなく人生の回復であり,リカバリー促進には,活動面や心理社会的側面を重視することが重要である。
|