研究概要 |
本研究の目的は,DLB の高齢者が体験している病気や症状,苦悩,対応などを明らかにすることである。DLB と診断された高齢者を対象に半構造化インタビューを行い,質的記述的手法に基づき分析を行った。その結果は,【認知機能の動揺などによりコミュニケーションに自信をなくす】【パーキンソニズムによりあっという間に倒れて防ぎようがない】【幻視や妄想が日常に入り込み混乱する。が,客観的にも見つめている】という 3 つの困難と【変わっている自分に気づき試行錯誤する】【孤独や自尊心の低下と向き合う】【困難に向き合い乗り越えようと努力する】という 3 つの思いのカテゴリーが生成された。特に,DLB の高齢者は生活のなかで会話や歩行に関する困難を体験し,その困難は"突然に起こる"こと,繰り返し出現する幻視は, DLB の高齢者に良い影響と悪い影響を与えていたこと, DLB の高齢者がDLB による変化に受け入れてゆく心理が明らかになった。
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