研究概要 |
本研究では,統合国際深海掘削計画(IODP)によって,2009年にベーリング海で採取されたベーリング海の海底堆積物コア試料を用いた。分析に使用したコア試料のうち,ベーリング海南部で採取されたU1341Bコアは,本海域において初めて採取された過去400万年間の環境情報を記録するほぼ連続的な試料であった。この試料について,砕屑物のネオジム同位体比と鉛同位体比の分析を行い,鮮新世温暖期と言われる時代のアラスカ域の山岳氷床が410 万年前から徐々に拡大し始め,330万年前と290万年前に雪氷圏の拡大を伴っていた,というアラスカ雪氷圏の発達史に関する新しい知見を得た。
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