研究課題/領域番号 |
23830019
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
糸久 正人 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特任助教 (60609949)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | コンセンサス標準 / 互恵性 / 複雑性 / オープンイノベーション / 自動車産業 / エコシステム / 標準化マネジメント / 製品開発 / 組織間協力 |
研究概要 |
本研究では、コンセンサス標準の形成過程における各企業の戦略的マネジメントを明らかにするために、複雑化の対応するための車載ソフトウェアの標準「AUTOSAR(AutomotiveOpenSystemArchitecture)」に着目し、標準を推進する各企業と監視する各企業の戦略的行動をよりミクロなレベルで分析した。その成果は大きく2つある。第一に、標準を推進する企業の中にはサプライヤーとメーカーという立場の違いが存在し、二者間関係だけでは、コンセンサスのベースとなる互恵性を達成することが難しい。そうした状況に対して、新興国企業、およびそれと開発ツールなどの補完財まで含めた多市場モデルのビジネスエコシステムを想定することで、両者の互恵性が達成される可能性が示唆された。第二に、標準を監視する企業は系列ごとのサプライヤーとメーカーの緊密な研究ネットワークを構築することで、製品の複雑性に対処していることがわかった。以上の点を考慮すれば、既存システムに優位性を持っている企業は、標準化の動きに対応しにくい、というジレンマが示唆される。特に、自動車産業における車載ソフトウェアというコンテクストでは、日本企業にそういったタイプの企業が多く、グローバルレベルの標準化にどのように対処していくのか、という点は実務的に大きな課題として指摘できる。
|