本研究は『他者を「理解する」とは、「他者との関係が理解をあふれ出てゆくこと」を理解することにほかならない』という E.レヴィナスの言説を手がかりに、生徒と教師の教育関係を捉え直す試みとして「教育関係において言語が演じる立場を描写する」活動に関する研究を行った。その結果、テクスト化を介して学校現場における教師の「体験」と生徒の「体験」を互いに交差させ、教師による生徒の語り得ない言葉を解釈する営みをとおして、生徒にとっての「教師」はわかりあえない他者との間における(あるいは体験的学習において)媒介者としての責任を担うことが明らかとなった。
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