研究課題
研究活動スタート支援
研究の目的はザンビア共和国の初等段階に焦点を当てた数学教育に該当するものであり、計算概念の意味・理解の現状を解明し、教材・授業を開発・提示することであった。今年度は計算の中でも特に乗法に着目した。第一に、平成23年度においてカリキュラムを俯瞰し、教科書の計算部分(特に乗法部分)がどのように指導されるのかを文献調査した。その結果、ザンビアの教科書(Macmillan社)は日本のそれとは内容配列が違っており、例えば0や1の乗法についての説明がほとんどないことと、計算の意味・理解よりも計算技能が強調される構成となっていたことが判明した。第二に、予備調査で得たデータ分析の結果、第8学年の子どもたちはシラバス上では複数桁の乗法の筆算を学習済みであるにも関わらず、1桁×1桁の乗法に躓く生徒たちが非常に多かったことが明らかになった。これらの現状を踏まえながら、都市部にあたる中央州カブウェ郡のM基礎学校において第3学年から第8学年までの1桁の乗法の確認テストを実施して生徒の概念の定着について調査データを得ることができた。また筆記試験だけでは子どもの概念理解のプロセスが見えにくいため、1クラスから2-3名の子どもたちへ同様のインタビューを行い、指、棒などを用いて計算する過程を記録することができた。その結果、すべての学年においてシラバスで記載されている内容よりも技能や理解が進んでいないことが垣間見られた。現在、これらのデータ分析を鋭意継続中である。その他にも、教師へインタビューを行いどのように乗法を指導しているのかについて聞き取りを行ったり、1クラス分の乗法の授業を見学したりして、乗法学習に関わる情報を多角的に収集することができた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
数学教育学研究
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東京未来大学研究紀要
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http://w01.tp1.jp/~a723683115/reserach.html