本研究では、2011年3月11日に発生した製油所の火災に伴う近隣の干潟底質へ影響を調べることを目的として、干潟底質に含まれる8種の多環芳香族炭化水素(PAHs)濃度の経時変化を調べた。 火災1か月後の底質を採取し、含まれるPAHs濃度を調べたところ、1.7-28.4 ug/kg-dryであり、災発生前と比較すると約3倍高濃度になったことが明らかになった。しかし、1年後に再び底質を採取し、同様に底質中PAHs濃度を確認すると1.0-5.1 ug/kg-dryになっていた。 これらのことから、火災により一時的に底質中PAHs濃度は上昇したものの、徐々に低下し、1年後には火災発生前と同程度まで低下したことを確認した。
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