研究課題/領域番号 |
23890247
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
疼痛学
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
金 善光 生理学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (60610889)
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研究期間 (年度) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 2光子イメージング / 神経因性疼痛 / 大脳皮質体性感覚野 / アストロサイト / Thrombospondin-4 / ガバペンチン / アロディニア / シナプスの可塑的変化 |
研究概要 |
本研究の目的は部分的坐骨神経結紮によって生じる慢性疼痛(神経因性疼痛)モデルマウスの大脳皮質体性感覚野においてシナプス形成の促進に関与するアストロサイト由来の分子を同定することである。昨今特に活性化アストロサイトから放出されるThrombospondihs(TSPs)がシナプス形成を促進することが注目されている。そこでまずこのTSPsを念頭に一連の実験を施行した。神経系においてTSPsの拮抗薬として作用するガバペンチンを末梢神経損傷後6日間大脳皮質体性感覚野上に微量持続投与した所、機械刺激に対するアロディニアを抑制した。次にTSP-4のmRNA及び蛋白発現量をin situ hybridizationとELISAを用いて各々検討行った結果、両者は坐骨神経結紮後に大脳皮質体性感覚野で増加していることが明らかとなった。一方TSP-3の増加は認められず、またTSP-1/2は検出されなかった。インビボ2光子イメージング法を用いて大脳皮質体性感覚野第5層錐体細胞の尖端樹状突起上のスパインを観察したところガバペンチン投与群では坐骨神経結紮後に認められるスパインの急性期の変化が有意に抑制されている事が判明した。しかしながら坐骨神経結紮投与により坐骨神経結紮後観察されるアストロサイトのカルシウム応答増強の抑制は認められなかった。これらの結果により坐骨神経結紮時には活性化したアストロサイトからTSP-4が放出され大脳皮質体性感覚野でシナプスの可塑的変化を引き起こす可能性が考えられた。更にガバペンチン投与は坐骨神経結紮後のアロディニア状態での痛覚逃避行動の閾値を上げる現象が観察されたが、これはガバペンチンによるTSP-4による神経の可塑的変化の抑制によるものと考えられた。
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