平成24年度から完全実施の新学習指導要領に新たに「医薬品は正しく使用すること」が盛り込まれたことを受け、広く学校教育で活用できる指導資料や視聴覚機器を使用した教材開発を行い、それを作成することが本研究の目的である。視聴覚教材として、薬教育のDVDを動画で作成した。薬についての学習は、生徒は初めてであるため、中学校での日常生活をもとに、よくありがちな場面から薬への認識を高めるように作成した。千葉大学教育学部附属中学校の3年生、男子2名と女子1名に協力してもらい撮影した。生徒には、絵コンテとセリフの台本を渡し、撮影の内容を理解させた。保護者にも指導教材の必要性や目的をお知らせし、理解を得ている。薬教育DVDは、第一幕から第三幕まであり、一幕ごとに解説を入れている。イントロダクションとして、DVDの目的や概要、また配役の自己紹介を入れ、親しみを持たせた。第一幕は、「放課後、教室にて」の場面で、具合の悪くなった男子生徒に2人の友達が保健室に行くように促している場面であるが、ここでは保健室の役割について詳しく解説を加えた。第二幕では、「帰宅途中、コンビニ」の場面で大衆薬が、薬局でなくても買えるようになったことを知らせた。第二幕の解説では、薬の選び方や登録販売者についても触れている。第三幕では、「数日後、昼の給食」の場面では、間違った飲み方から問題が起き、その解説で、用法・用量や血中濃度について触れた。基礎的情報収集の結果、生徒に指導するべき内容が精選され、それを、ドラマ仕立ての動画にすることで、生徒が理解しやすくなったと思う。平成24年11月の本校で開催される国立大学附属校の関東大会で、保健学習の際にこの薬教育DVDを使用した授業展開をしようと考えている。
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