研究概要 |
【研究目的】 オシロスコープのデジタル化に高校物理の授業が対応できるように,一連の教材を開発する。 【研究方法】 従来のアナログオシロスコープを使った実験を,授業実践を通して,すべてデジタルオシロスコープによるものとし,授業に必要な一連の教材を作る。また,デジタルオシロスコープの特性を分析し,これを生かした実験を開発する。 【研究成果】 デジタルオシロスコープを利用した10テーマの実験を開発・実践・分析し,実際に使える実験プリント,実験結果とその分析を各種研究会などで公開した。デジタルオシロスコープという汎用測定機器を多くの生徒実験に活用し,コンピュータ等のデジタル機器との連携をはかることでICTの活用機会が増すと共に,以下のような成果が上がった。 (1)デジタル化により実験精度が向上し,分析の容易さにより,実験時間の短縮と分析時間の確保ができた。 (2)コンピュータとの連携により,高度な分析も容易となった。 (3)実践を通して,どの学校でも活用可能な実験器具,方法,プリントを開発・改善できた。 (4)コンピュータ、デジタルマルチメータ、ファンクションジェネレータとの連携を深めることができた。 (5)生徒や教員から利用後の意見を集めたところ,分かり易い,精度が高い,分析し易いなど好評であった。 (6)デジタル世代の生徒はマニュアル無しに実験を進めており,機器の使用マニュアルは不要と思われる。 (7)将来のマルチチャンネル化に備え,4チャンネルのデジタルオシロスコープ活用による,誘電体中の電場の伝播速度や定常波の様子の探究,気柱における反射波の分析などにも活用した。これにより,時間的,空間的に現象を立体的に捉え易くなることが分かった。
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