研究概要 |
1研究の目的:地域にあるマングローブの教材化を図った。マングローブとその自生地,関連産業を教材とした授業実践を通し,生徒の授業への肯定感とマングローブの知識の活用の育成をねらいとした。 2研究の方法 (1)マングローブとその自生地調査:マングローブ自生地の底生生物の調査(コドラート法),土壌の有機物分解(実験),沖縄県北部地域の自生地の土壌と那覇市自生地との土壌の比較(目視) (2)試行授業:1時間(沖縄の植物相の学習,マングローブに棲む生物と土壌についての学習,マングローブの種子カニや貝のサンプルの観察,マングローブの環境や経済への効果とその活用案について生徒同士で話し合う,話し合った結果を発表する) (3)授業ワークシートと生徒アンケートより考察:ワークシートでは知識の活用案の妥当性を検討,アンケートでは「マングローブの理解」と「授業への肯定感」を4段階で生徒に評価してもらった。 3研究の成果 (1)マングローブとその自生地について ・自生地の土壌は有機物を分解し環境浄化に役立っており,また,マングローブ種子に生えるカビを抑制する。・自生地には,ヒルギの落ち葉を食べるカニ,そのカニを食べる鳥類が存在し,自生地特有の食物連鎖がある。・自然豊かな地域の自生地では,土壌の色も白くゴミも少ない。また,そこに生息している底性生物の種数も多い。・マングローブはりCO_2の固定そ行い,さらに,カヌー体験などのエコツアー観光にも役立っている。 (2)生徒の変容 ○「マングローブについて理解できた」は平均3.8ポイント,「授業が役に立つ」の平均は3.0となった。マングローブを日常で見ている生徒だがメディア以外での学習機会は少なく,生徒は授業を肯定的に評価していると考える。○マングローブの知識を活用した提案では,テーマパークの設置案など80.5%の生徒が知識を活用できた。この割合が高いかどうかは比較する研究(知識の活用)がまだなされていない。
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