酸化チタン光触媒は、光励起されると、表面に非常に強い酸化力を持つ。この酸化力により、汚染物質である有機物を分解、除去することができる。環境教育として、環境汚染を防止する、問題解決学習に適した教材である。酸化チタン光触媒を、水に浮く発泡リサイクルガラスに担持させる。従来より安価に作れるのが特徴である。紫外線を出すブラックライト・LEDや太陽光を使い、池やプールなどの濁った水の浄化の教材化を行なった。 水に浮く発泡リサイクルガラス(RG)に酸化チタン光触媒を担持させたものを使って、北方遊水池の水質を浄化する実験を行った。RGに酸化チタンゾル液を浸し、350℃で焼結して担持させた。さらに、銀、パラジウム、ニッケルの金属を少量担持させた。メチレンブルーの青色色素の水溶液を使って光触媒作用を確認する実験を行った。調節池の水をビーカーに入れ、金属を付けた酸化チタン光触媒担持RGを浮かべて、防藻効果と水の浄化作用について調べた。 RGに酸化チタンを付けると、メチレンブルーの吸着力が弱くなる。しかし、繰り返し実験により、光触媒作用の方が上回った。水質が悪い場合は、太陽光下では藻が発生し、光触媒の効果が発揮されなくなった。Ag、Pd、Niを酸化チタン表面につけると、吸着力が弱くなるが、Ag、Pdでは光触媒作用は少しだけ減少した。RGの粒子が大きいと、表面積が小さくなり、吸着された色素が少なくなることがわかった。金属処理後にアルカリ処理すると、吸着力も回復した。RGの粒子が大きいと、表面積が小さくなり、吸着された色素が少なくなることがわかった。 AgとNiを析出させた光触媒担持RGでは防藻効果があった。太陽光下で水質のCODが下がったことが確認できた。ただし、Niの場合に金属イオンの溶出が確認されたが、メダカの影響調査では問題がなかった。Agについては金属イオンの溶出はなかった。 今後、遊水池などで、Agを析出させた光触媒担持R-Gを浮かべて、フィールドのおける実証試験を行う予定である。
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