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微妙な酸性度の違いで細胞の種類を簡単に識別する色素の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23915014
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 化学
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

徳永 恵津子  名古屋工業大学, 工学研究科, 技術補佐員

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードフタロシアニン / がん細胞 / フッ素
研究概要

機能性色素であるフタロシアニンを用いて細胞の微小なpH変化を色や吸収波長の違いによって瞬時に判断する色素を開発することとした。フタロシアニン環には環の内側に4つ,外側に4つの窒素原子がり,内側の4つは金属に配位している。そのため外側の4つの窒素を高感度弱塩基として利用することを考えた。すなわち,フタロシアニン核のペリ位に数多くのフッ素,特にトリフルオロエトキシ基を導入することによって,フタロシアニン核内部を電子欠乏状態にすれば,窒素の塩基性度は極めて低下するため,超弱塩基として機能するはずである。そこで,1,4-トリフルオロエトキシフタロニトリルを出発原料に用いて,塩化亜鉛および塩基の存在下,加熱環流したところ,目的のαトリフルオロエトキシ置換型フタロシアニンが収率よく得られた。この色素は緑色であった。次にこの色素をクロロホルム溶液にし,紫外線吸収スペクトルを測定したところ,濃度を薄めていくと吸収スペクトルが大きく変化することを見いだした。これは,クロロホルム中のごく微量の酸を検知したためであると考え,ピリジンを1滴添加するとスペクトルは濃度の濃い状態と同じ紫外線吸収スペクトルを示した。一方,濃度の濃い状態のものにトリフルオロ酢酸を1滴添加したところ,今度は希釈した状態と同じ紫外線吸収スペクトルを示した。これらの結果は,希釈するという,ごく微量の酸の存在によって紫外吸収スベクトルが著しく変化したことを意味している。この知見を利用し,がん細胞を用いて実験を行った。即ちH929を適当量とり,PBSで洗浄後,PBS1mlに浮遊させ,フタロシアニンを5μ添加した。コントロールとして、PBSのみと比較した。しかし,細胞添加の方が,少し色がつく程度であった。続いてK562細胞にフタロシアニン10μlを添加した。また,細胞を溶解させるために界面活性剤を10μlを添加した。その結果,細胞のみは,標準よりも強い青色を示すことがわかった。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-04-06   更新日: 2016-04-21  

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