ソレノイドは電流を流すことで中心にある鉄心が移動する。これらを上手く制御する方法を確立することで活用への応用が広がると思われる。本研究においては通常のON-OFF制御だけではなくPWM(Pulse Width Modulation)やPAM(Pulse Amplitude Modulation)の手法を用いることで、より細かい制御が可能か検討した。 ソレノイドを電圧や電流といった直流制御法を用いると鉄心の残留磁束の影響によりヒステリシスとなり制御し辛いことを確認した。1kHz以上の周波数を使ったPWMによってヒステリシスが発生せず制御に適している事が確認できた。また、PWM時に印加する電圧により鉄心の移動速度も制御可能であることがわかった。従って、それらの制御を上手く利用することで、巧みな動きがコントロール可能な可能性がある。 エレクトリックギターへの応用は、弦のピックアップに電流変化による磁場によりノイズが混ざることがわかったが、今後ソレノイドの位置や制御法を見直すことで克服できると思われる。またPAMを用いる事で、強弱がつけられることがわかったが、人間ほどのコントロールを行うためには、ストロークや最低の強度を考慮した専用設計のソレノイドが必要かもしれない。この辺は今後の課題である。 ソレノイドに印加する時間を細かく制御することで鉄心の移動距離もコントロール可能だった。ただし、これは、周辺のバネの力などと関係があるので、フィードバック系を追加することで新たなデバイスの創成が可能かもしれない。
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