• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ゲンゲ亜目魚類の繁殖生物学的研究材料としての有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23924008
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅱ(動物)
研究機関北海道大学

研究代表者

阿部 拓三  北海道大学, 水産学部, 次席二等航海士

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードゲンゲ類 / 進化 / 繁殖生態
研究概要

2011年6月、北海道臼尻町沿岸水深7mの砂礫底において、SCUBA潜水によってタウエガジ科のトンガリギンポ雌雄各一個体を採集した。水槽内での飼育・観察から、産卵後雄が単独で卵保護することを初めて明らかにした(卵色・卵形:白色球形、卵数:400個、卵径1.59±0.04SDmm,n=50)。雌の卵巣からは精子は確認されなかうたことから、本種は非交尾型である可能性が高い。タウエガジ科には、雄卵保護型、雌卵保護型および両親保護型があり、雌卵保護型と両親保護型で交尾種が確認されている。これらの結果は、ゲンゲ類がカジカ類同様に、雄卵保護型から交尾が発達し、その後雌の卵保護が進化した方向性を支持する。
2011年9月、北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸が実施した、北海道南岸沖(水深600m)での着底トロールによって、ゲンゲ科のシロゲンゲ210個体を採集した。うち100個体の全長、体重および生殖腺重量を測定し、生殖腺重量指数(GSI=卵巣重量/体重×100)を算出した。雌は全長560mm以上の個体(雌52個体23個体)で発達した卵巣を有し(GSI=4.4±0.8SD、n=23)、産卵期間近であると推察された。一方雄は、全長510mm以上の個体のみ(雄全成48個体中13個体)成熟途上の精巣を有していた。北海道南岸沖のシロゲンゲは、9月頃から性成熟に向かうこと、雌雄ともに大型個体のみ成熟することが示唆された。
今回採集したゲンゲ類のうち、繁殖期前後に採集ができた種は2科2種にとどまった。各種の繁殖時期を特定し、集中的に採集することが課題として挙げられるが、時期的な制約は十分解決可能であると考えられる。今後ゲンゲ類の生態情報を蓄積することで、魚類の進化生物学的研究に大きく貢献し得ると考えられる。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-04-06   更新日: 2020-05-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi