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トキの営巣環境整備のための基盤研究:景観と局所スケールでの営巣場所選好性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23924009
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅱ(動物)
研究機関新潟大学

研究代表者

上野 裕介  新潟大学, 朱鷺・自然再生学研究センター, 教育研究高度化技術者

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードトキ / 営巣適地 / 自然再生
研究概要

【意義・目的】
トキは,かつて日本全国に分布していたが,野生絶滅してしまった。このトキの野生復帰を目指した放鳥が,2008年から新潟県佐渡島で始まっている。野生復帰を成功させるためには,トキの生息環境を整備することが必要であるが,餌場整備が官民一体となって進められてきたのに対し,営巣環境については過去の知見に乏しく,整備も進んでいない。このためトキの営巣場所についての知見を集め,営巣環境の整備と創出につなげることが不可欠である。そこで本研究では,以下の2点を明らかした。
1)景観スケールにおいて,トキの営巣適地予測モデルを作成し,佐渡島内において重要な営巣地となりうる林を抽出した。
2)局所スケール(林内)において,トキが営巣した樹木と営巣していない樹木の比較を行うことで,トキが好む営巣木の特徴を明らかにした。
【方法】
佐渡島に再導入されたトキは,2010年春に5ペアが,再営巣を含め計7か所の林に営巣した。2011年春には,7ペアが計10か所の林に営巣した。なお,同一ペアによる再営巣では,新旧の営巣林が空間的に近い傾向が認められた。そこで疑似反復を避けるため,景観スケールでの解析では,各ペアが最初に営巣した林のみを解析の対象とした。解析にはプログラム(MaxEnt)を用い,営巣林周辺の景観要素(餌場,森林,人工物の面積等)を基に,佐渡島内での営巣適地を抽出した。
【結果】
1)営巣適地予測モデルによると,トキの営巣に適した林は,平野部,特に水田と林がモザイク状に混在する谷戸地形に多いことが明らかとなった。
2)林内におけるトキの営巣木選択には,樹種選好性は認められず,ギャップまたは林縁部近くの大径木,あるいは林冠からの突出木を選好していることが明らかとなった。これは,一般に大きな木は頑健で架巣しやすく,周囲の林冠が密閉していない木では巣への出入りもしやすいためと考えられた。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 佐渡島相川地区における,放鳥トキNipponia nippon単独個体の環境利用2011

    • 著者名/発表者名
      中津弘, 上野裕介, 永田尚志, 山岸哲
    • 雑誌名

      野生復帰

      巻: 1 ページ: 63-70

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 佐渡島におけるトキの生息適地の推定:営巣場所と採餌場所の利用履歴を基に2012

    • 著者名/発表者名
      上野裕介, 中津弘, 金子洋平, 永田尚志, 山岸哲
    • 学会等名
      第59回日本生態学会
    • 発表場所
      大津市(龍谷大学)
    • 年月日
      2012-03-21
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [備考] 新潟大学朱鷺・自然再生学研究センター

    • URL

      http://www.niigata-u.ac.jp/transdiscipline/toki/index.html

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-04-06   更新日: 2020-05-15  

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