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無腸動物ワミノアの共生藻「家畜化」開始プロセス観察技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23924013
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅱ(動物)
研究機関広島大学

研究代表者

彦坂 智恵  広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 技術系職員

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2011年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード無腸動物ワミノア / 共生藻 / 卵母細胞
研究概要

サンゴの体表で生活する無腸動物ワミノアにはSymbiodiniumとAmphidiniumの微細藻類が共生しており、これらは卵母細胞に取り込まれて垂直伝搬する。卵巣成熟の進行に伴う共生藻獲得過程の観察手法を確立するためにワミノアをサンゴから分離して単独飼育する方法を模索した。ワミノアは冬期の海水温23℃で飼育すると卵巣が発達する。卵巣の発達は卵巣の形成部位によって、I期、II期、III期の3つのステージに分けられる。II期の卵巣(初期卵黄形成域)内の卵母細胞には共生藻は含まれていない。III期の卵巣に形成される後期卵黄形成域で,共生藻は卵母細胞に取り込まれる。市販されている稚魚用の試料(冷凍ワムシ、アルテミア脱殻卵、アルテミア幼生)を与え、II期のワミノアが餌を取り込む様子を観察した。その結果、ワミノアはアルテミア卵を比較的良く取り込んだが、一旦体内に取り込んでもペレットとして吐き出した。ワムシの取り込みはアルテミア卵に次いで多かったが,こちらも吐き出されることが多かった。アルテミア幼生はアルテミア卵やワムシほどには取り込まれなかったが、一旦取り込まれると吐き出されることなく消化吸収された。このことから、餌として与えるにはアルテミア幼生が適していることが明らかになった。後期卵黄形成期の卵巣を持った個体を選び出し,Ca^<2+>/Mg^<2+>除去海水中で組織を解離し、組織細片を濾過飼育海水に戻してから、蛍光顕微鏡によりG励起で観察すると、共生藻を保持する細胞を生きたまま観察できることが明らかになった。また、酢酸グリセリン海水中でワミノア体組織をピペッティングにより細片化すると、卵巣の形態を保ったまま単離できることを見いだした。この手法を用いてII期の卵巣内の卵母細胞を観察した結果、卵巣の中で細長く円筒状に伸長した状態で卵の形態が保持されていることが明らかになった。以上の成果は、ワミノアの共生藻「家畜化」開始プロセスを研究する基盤となるものである。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 無腸動物ワミノアの卵巣成熟と共生藻獲得過程の観察手法2011

    • 著者名/発表者名
      彦坂智恵、小池香苗、山下洋、彦坂暁、小池一彦
    • 学会等名
      日本動物学会第82回大会
    • 発表場所
      旭川市大雪クリスタルホール
    • 年月日
      2011-09-21
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] ヒラムシ運動の観察実験と数理解析からのアプローチ2011

    • 著者名/発表者名
      風間俊哉、小松雄一、彦坂智恵、伊藤賢太郎、小林亮
    • 学会等名
      第21回日本数理生物学会大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2011-09-14
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-04-06   更新日: 2020-05-15  

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