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客観的指標に基づくアセトアミノフエンの至適投与量の設計と適正使用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23929003
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 薬学Ⅳ
研究機関鹿児島大学

研究代表者

牛山 美奈  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードアセトアミノフェン / 血中濃度 / 疼痛緩和
研究概要

「痛み」は、実質的または潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはこのような損傷を表わす言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験であると定義されており(世界疼痛会議)、この定義に基づき、ぶつけたり、転んだり、つねった痛さを「感覚としての痛み」、痛みに伴うさまざまな感情、感情に伴って起きた痛みは「感情としての痛み」として分類される。「感覚としての痛み」は、損傷した組織から放出されたカリウムイオンやブラジキニンなどの化学物質が痛覚神経の末端にある痛覚受容器を刺激して引き起こされ、鎮痛には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:non-steroidal anti-inflammatory drugs)が用いられる。
アセトアミノフェンは、中枢性(脳および脊髄内)のCOXを阻害し、疼痛閾値を上昇させることにより鎮痛効果を発揮する薬剤であり、末梢性のCOXの阻害作用を示さないことから消化器障害や腎障害、血圧低下、喘息発作の誘発等の副作用を生じないなどの利点を有するが、鎮痛作用を示すアセトアミノフェンの用量は個人により異なり、その用量は1日あたり2,400-4,000mgと幅があるため、いわゆる'医師のさじ加減'によって決定されているのが現状である。これらのことから本申請研究では、確実な鎮痛効果が得られ、かつ安全なアセトアミノフェンの投与量について解析し、アセトアミノフェンによる確実で安全な鎮痛を得るための科学的根拠を得ることを目的として研究を行った。
当院入院中の患者で鎮痛剤としてアセトアミノフェンを1日あたり1500mg以上使用している患者を対象とし、アセトアミノフェン服用前とアセトアミノフェン服用1時間後にアセトアミノフェン血中濃度を測定した。文献やアセトアミノフェンのインタビューフォームを参考にその有効血中濃度を5-20ng/mLとした。アセトアミノフェンを1日あたり3000mgまたは2400mgを朝・昼・夕食後の3回に分けて服用している患者において、朝の服用前の血中濃度は2ng/mL以下であり、服用後は7-16ng/mLであった。一方、1日あたり3600mgを朝・昼・夕食後の3回に分けて服用している患者の昼の服用前の血中濃度は7.2mg/mLであり、これは夜の服用時間から翌朝の服用時間までの間隔が朝の服用時間から昼の服用時間までの間隔に比較して長いことが原因と考えられた。これらのことから、安定した血中濃度を維持し、鎮痛効果を持続するためには、投与量だけでなく投与間隔にも注意が必要であることが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗がん剤感受性試験に基づく科学的がん薬物療法に関する取り組み2011

    • 著者名/発表者名
      牛山美奈, 池田龍二, 宮脇昭彦, 田實裕介, 西澤由紀彦, 山口辰哉, 下堂薗権洋, 武田泰生, 中村典史, 山田勝士
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2011/第19回クリニカルファーマシーシンポジウム
    • 発表場所
      旭川市民文化会館/旭川グランドホテル
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-04-06   更新日: 2020-05-15  

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