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日本染織文化資源の再発見とその活用に資する基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 23H00006
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

小山 弓弦葉  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (10356272)

研究分担者 三田 覚之  独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 主任研究員 (00710493)
沼沢 ゆかり  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (00881715)
田中 淑江  共立女子大学, 家政学部, 教授 (70636456)
高木 結美  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任専門職 (70647908)
リンネ マリサ  独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部調査・国際連携室, 主任専門職 (70870236)
澤田 和人  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (80353374)
廣谷 妃夏  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, アソシエイトフェロー (90940487)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
46,670千円 (直接経費: 35,900千円、間接経費: 10,770千円)
2025年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2024年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
キーワード日本染織工芸 / 古美術 / ジャポニスム / 山中商会 / 野村正治郎
研究開始時の研究の概要

美術工芸史の1つに位置付けられる日本染織は、近代化に伴いその歴史的・美術的価値が認められ、戦前には古美術として蒐集されてきた。しかし、現在では離散し海外に流出する状況にある。一方、欧米においてはジャポニスム流行を契機に日本染織が古美術としてコレクションされた。しかし、第二次世界大戦によって日本に対する欧米の評価は一変し、江戸時代を中心とする日本染織コレクションはコレクターの元を離れ、東洋美術を専門とする博物館などの各機関に死蔵される状況にある。以上に挙げた染織文化資源を、専門の研究者による悉皆調査によってその価値を再発見し、調査研究によって歴史的・美術的価値付けを行い、国内外に発信する。

研究実績の概要

本研究は、国内・国外に所蔵される染織文化資源を専門の研究者による悉皆調査により、埋もれてしまっている日本染織の歴史的・文化的価値を明らかにし、その活用について検討するものである。
本年度は、7月上旬に研究分担者、研究協力者が東京国立博物館に集合し、研究会を開催した。初年度であるため、調査・研究方法について具体的な手順について説明し、調査・研究方法について検討した。
また、7月からは調査補助員を採用し、調査データを順次整理した。
国内調査については、1月(3日間)、3月(4日)の2回に分けて、名古屋市博物館所蔵の日本染織コレクションの悉皆調査を研究分担者、研究協力者のべ7名で行った。また、女子美術大学美術館に所蔵される日本染織コレクションの調査を、研究代表者および研究分担者で11月に2回に分けて行った。
海外調査については、10月中旬にヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で調査を、研究代表者、研究分担者2名で行った。また、2月上旬にアメリカのロードアイランド・デザインスクール美術館の調査を研究分担者2名、研究協力者1名で行った。
調査については、各機関に所蔵される日本染織コレクションの1点1点について、採寸・素材技法・制作年代の精査を行い、顕微鏡写真ならびに各部を一眼レフカメラで撮影した。調査データはその都度、調査補助員によってパソコン入力や画像処理・作図等を行い、整理・データ化を進めた。データ化された調査データについては調査を行った研究代表者、研究分担者、研究協力者が必ず目を通し校正を行なった。さらに調査データは海外においても活用されることを想定することから、その英訳も順次、研究分担者によって行われ、研究代表者が確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、国内調査については、予定通り名古屋市博物館所蔵の松坂屋に由来する日本染織コレクションを調査することができた。しかし、すべての調査が完了しなかったため、来年度以降に持ち越しとなった。予定していなかった女子美術大学美術館に所蔵される山中商会・長尾美術館由来の日本染織コレクションの悉皆調査が完了した。
海外調査については、当初、3か国を予定していたが、購入を予定していたマイクロスコープが販売未定となってしまい、その代替品の購入に、予定する額より多くの額がかかることとなってしまっため、その費用に充てることとした。そのため、3か国から2か国に変更となった。ロードアイランドデザインスクール美術館の悉皆調査が完了した。また、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館の作品を調査した。
調査結果については、調査情報を整理、電子データ化に、各所蔵機関と共有した。これらの蓄積データについては、最終的に報告書にまとめられる予定である。

今後の研究の推進方策

アメリカ国内にある主要な日本染織コレクションの1つであったロードアイランド・デザインスクール美術館の調査が終了したため、調査情報を精査し、公開できるようなデータ化を進める。また、本年度完了しなかった国外調査1件については、来年度以降に先方の都合も伺いながら行う予定である。
来年度も計画通り、海外調査については、県境う代表者が研究分担者、研究協力者を適宜3名構成の3つのグループに分け、5か年で終了するよう、3か所の悉皆調査を行う予定である。
また、国内調査については、奈良県立美術館および福岡市博物館に所蔵される日本染織コレクション「吉川観方コレクション」を中心に調査を行う予定である。悉皆調査から得た情報は調査補助員を中心に整理を行い、電子データ化をすすめる予定である。最終年のシンポジウムおよび調査報告に向けて、国内外の関係機関と連携しながら、滞りなく準備を進めていく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 松坂屋コレクションの小袖 呉服製作にかかわる人たちから受けついだ小袖を中心に2024

    • 著者名/発表者名
      荘加直子
    • 雑誌名

      一般財団法人 J・フロントリテイリング史料館3 松坂屋コレクション 着物Ⅰ

      巻: 3 ページ: 6-15

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 月次風俗図の服飾および風俗表現にみる制作時期2023

    • 著者名/発表者名
      小山弓弦葉
    • 雑誌名

      MUSEUM 東京国立博物館研究誌

      巻: 706 ページ: 47-70

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「松坂屋コレクション」形成における担当者内山政雄の役割について2023

    • 著者名/発表者名
      荘加直子
    • 雑誌名

      服飾美学

      巻: 70号 ページ: 1-16

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 松坂屋コレクションの琉球衣裳と裂 岡田三郎助旧蔵品を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      荘加直子
    • 雑誌名

      J・フロントリテイリング史料館2 松坂屋コレクション 琉球衣裳・裂

      巻: 2 ページ: 6-15

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Non-Archaeological Silk Road Textiles in Japan: Reconsidering Fragments from the Shoso-in and Horyu-ji2023

    • 著者名/発表者名
      小山弓弦葉
    • 学会等名
      7th Symposium of International Association for the Study of Silk Road Textiles(IASSRT), in Norwich-London, UK
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 描かれた染織―〈松浦屏風〉から浮世絵まで―2023

    • 著者名/発表者名
      小山弓弦葉
    • 学会等名
      大和文華館講座
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 琉球の染織に見る、周辺地域との交遊-その模様・技法・素材から探る-2023

    • 著者名/発表者名
      小山弓弦葉
    • 学会等名
      沖縄県立博物館・美術館連続講座
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 中世能を語る ―春日神社伝来能装束―2023

    • 著者名/発表者名
      小山弓弦葉
    • 学会等名
      関市文化会館「関市春日神社伝来能面能装束調査報告会」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「松坂屋コレクション」形成における担当者内山政雄の役割について2023

    • 著者名/発表者名
      荘加直子
    • 学会等名
      服飾美学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Rediscovering Silk Road Collections: Textiles Brought to Japan by the Expeditions,2023

    • 著者名/発表者名
      廣谷妃夏
    • 学会等名
      7th Symposium of International Association for the Study of Silk Road Textiles(IASSRT), in Norwich-London, UK
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 大谷探検隊将来染織資料とトルファン・アスターナ古墓群被葬者の関係―第1号被葬者付帯の錦綾の年代考察を軸に―2023

    • 著者名/発表者名
      廣谷妃夏
    • 学会等名
      美術史学会東支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

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