| 研究課題/領域番号 |
23H00015
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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| 研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古畑 徹 金沢大学, 国際学系, 特任教授 (80199439)
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| 研究分担者 |
安部 聡一郎 金沢大学, 人文学系, 教授 (10345647)
小嶋 芳孝 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (10410367)
毛利 英介 昭和女子大学, 人間文化学部, 准教授 (10633662)
吉永 匡史 金沢大学, 国際学系, 准教授 (20705298)
小宮 秀陵 獨協大学, 国際教養学部, 准教授 (30802011)
古市 大輔 金沢大学, 人文学系, 教授 (40293328)
小林 信介 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (50422655)
村井 恭子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50569291)
植田 喜兵成智 早稲田大学, 文学学術院, 講師(テニュアトラック) (50804407)
浜田 久美子 大東文化大学, 文学部, 教授 (50846798)
渡辺 健哉 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60419984)
赤羽目 匡由 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (60598853)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 准教授 (70749530)
中村 和之 函館大学, 商学部, 教授 (80342434)
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 教授 (80381929)
足立 拓朗 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 教授 (90276006)
篠崎 敦史 新潟大学, 人文社会科学系, 講師 (90786899)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
34,450千円 (直接経費: 26,500千円、間接経費: 7,950千円)
2025年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2024年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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| キーワード | 高句麗 / 渤海 / 広域史 / 多元的歴史像 / 歴史の争奪 / 東部ユーラシア史 / 東アジア史 / 東北アジア史 / 環日本海域史 / 環黄海・東シナ海域史 |
| 研究開始時の研究の概要 |
高句麗・渤海は、領域が現在の中国・朝鮮(韓国・北朝鮮)の国境を跨ぎ、かつ居住諸種族もそれらの構成民族の源流の一部となっているため、中国・朝鮮間で激しい「歴史の争奪」の対象となっている。当該地域を研究フィールドとする考古学から近代史までの研究者が集まる本研究プロジェクトチームは、長年、高句麗・渤海をめぐる「歴史の争奪」の克服という課題に取り組み、多くの成果を上げ、複数の広域史の枠組みで多元的に高句麗・渤海の史的展開を描き出すという叙述手法を提示するに至った。本研究は、これまでの研究蓄積を踏まえ、上記手法に基づいて高句麗・渤海の新たな歴史像(多元的歴史像)を再構築しようとするものである。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、高句麗史・渤海史をめぐる中国・朝鮮(韓国・北朝鮮)間の「歴史の争奪」の克服を最終目的とする。そのため、争いの当事者に限定された地域枠組みを超えた、多様でより大きな広域史の視座から、高句麗・渤海の歴史的な影響や重要性を洗い直し、高句麗・渤海に対する新たな歴史的位置づけを行い、それらを総合して従来とは異なる多元的・立体的な高句麗・渤海像を提示することを目指している。本研究の2年目は、1年目に引き続き①高句麗・渤海と5つの広域史に含まれる周辺諸地域との関係を具体的・実証的に明らかにすることと、②7世紀以降、現代に至るまでの周辺諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを、可能な限り具体的に示すことの2点に重点を置き、中国や韓国の研究者との意見交換などをしながら研究を進めた。 そうした2年目において特に見るべき実績としては、まず年度末の国際シンポジウム「前近代東北アジアの歴史と考古2」である。。①については高句麗関係で井上報告と中国側研究協力者の鄭春穎報告、渤海関係で小嶋・中村(亜)・岩井報告と中国側研究協力者の孫昊報告・梁会麗報告が、②については渡辺報告があり、これらは来年度予定のシンポジウム報告と合わせて、来年度以降に書籍として出版する予定である。また、環日本海域史及び環黄海・東シナ海域史関係の成果が次々と発表されたのも特筆すべき点で、古畑・小嶋・中澤・浜田・澤本の各論文を掲載する『古代の渤海と日本』(高志書院、2024)、『入唐求法巡礼行記』についての古畑論文を掲載する『僧侶と仏教の東アジア海域交流』(景仁出版社、2024。原題韓国語)、吉永が分担執筆した『日本史の現在2 古代』(山川出版社、2024)が相次いで刊行された。戦前期の発掘成果等の再調査も進んでおり、その一端が中村亜希子論文等で公表されたことも特筆すべき成果である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の研究計画は、1年目に引き続き①高句麗・渤海と5つの広域史に含まれる周辺諸地域との関係を具体的・実証的に明らかにすることと、②7世紀以降、現代に至るまでの周辺諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを可能な限り具体的に示すことの2点について、代表者・分担者・協力者がそれぞれの担当に従って研究を進めることであった。この研究計画に即して2年目の研究成果を総括した結果、進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。その理由は以下のとおりである。 ①この1年間の代表者・分担者・協力者合わせての業績として、16本の雑誌論文、6冊の分担執筆等を担当した図書が公刊され、19本の研究発表が行われた。内容的には、高句麗・渤海の研究史や現状分析に関する雑誌論文4本・研究発表1本、高句麗の外交や周辺諸国・諸地域への影響に関する雑誌論文1本・研究発表3本、渤海と日本との関係に関する雑誌論文1本・図書2冊、研究発表4本、渤海滅亡後の東アジア・東部ユーラシア情勢に関する雑誌論文3本・研究発表3本、北方史を含む東北アジア史に関する雑誌論文2本・研究発表2本、戦前期の高句麗・渤海関係の考古調査・発掘遺物に関係する雑誌論文1本、図書1冊、研究発表4本などである。これらのほとんどは、今年度重点的に解明を進める①②のに該当するもので、それが順調に進んでいることを示している。 ②この1年間に2度のオンラインによる打ち合わせ会を行って個々の研究の進捗状況を確認し、かつ年度末のシンポジウムでは、中国の研究協力者も加わっての対面での意見交換も行った。代表者・分担者・協力者個々の研究の総合化に向けての作業も、研究計画通りに進行している。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初から3年間は、①高句麗・渤海と5つの広域史に含まれる周辺諸地域との関係を具体的・実証的に明らかにすることと、②7世紀以降、現代に至るまでの周辺諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを可能な限り具体的に示すことの2点に重点を置く計画である。2年目も計画通りに進んだので、来年度も代表者・分担者・協力者がそれぞれの担当の研究を進め、年2回のオンライン打ち合わせ会で進捗状況を報告・確認し、年度末のシンポジウムで意見交換をする。シンポジウムでの報告は、論文集として刊行していく。今年度のシンポジウム報告は、来年度のシンポジウムの報告と合わせて一つにまとめ、論文集として刊行する予定である。それ以降も本科研のシンポジウム2年分をまとめて論文集を刊行していく計画である。 また、本科研では高句麗・渤海史の関係諸国の研究状況を正確に把握することを目指しているが、依然として国際情勢がなかなか自由にそれらの国々に調査に行くことを許さない状況である。そのなかで韓国とは自由に往復できるので、今年度同様に韓国の研究機関との連携を強化し、調査活動を進めていく。特にソウル大学校博物館所蔵の渤海遺跡遺物群の調査は重要で、今後の新たな進展を期待させるところがある。また、中国との関係では、中国の研究者が日本へ来て報告をし意見交換をすることについては問題ないので、これからも毎年来日してもらい、国際シンポジウムを実施していく予定である。 このほかにこの2年間でいままで十分に知られていなかった貴重な史料・資料群に気づき、調査を進めてきている。来年度以降も、この調査を継続し、その成果を公表していく予定である。
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