| 研究課題/領域番号 |
23H00075
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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| 研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柳澤 邦昭 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10722332)
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| 研究分担者 |
中井 隆介 京都大学, 人と社会の未来研究院, 特定准教授 (10576234)
杉浦 仁美 近畿大学, 経営学部, 講師 (10761843)
浅野 孝平 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (50713319)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2025年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2024年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
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| キーワード | 身体的痛み / 社会的機能 / 疼痛シグネチャー / 機械学習 / 脳機能研究 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、痛みの神経基盤は本当に社会的機能に関与しているのか、最新の技術によって明らかにする。具体的には、機械学習と多変量パターン解析を応用し、痛み特有の神経活動パターンである疼痛シグネチャーを日本人サンプルで作成し、検討を試みる。このシグネチャーに基づく脳活動の反応が、社会的排斥状況において生じるかどうか、内集団の他者や親密な他者への共感に関与するかどうかをそれぞれ検討する。さらに、疼痛シグネチャーに基づく痛みの感受性について社会・文化間差異を検討する。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、身体的痛みの神経基盤が社会的機能に関与しているのか、疼痛シグネチャー(痛み特有の脳活動パターン)を用いて検証する。とりわけ、身体的痛みの強度に応じた脳活動からシグネチャーを作成し、社会的痛み(社会的排斥による心的苦痛)や共感的苦痛(他者の苦痛を観察している際の心的苦痛)が生じる場面で同じパターンが現れるかを調べる。 本年度は磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI)を用いた実験を立ち上げ、刺激提示プログラムの検証、温冷刺激の個別調整、撮像パラメータの最適化など環境整備を完了させ、データ取得を開始した。被験者数はまだ目標サンプル数に届いていないため、来年度も収集を継続し、痛み強度を精度良く予測するモデルの完成を目指す。シグネチャー作成に用いる解析手順については国内外の研究者と協議を重ね、機械学習アルゴリズムや前処理の標準化を進めた。加えて、共感的苦痛タスクに関する既存データを解析し、社会的状況の違いにおいて多様な共感的パターンが生じる可能性について報告する論文を執筆し投稿準備中である。とりわけ本成果は、共感的苦痛が単一の神経表象に収束するのではなく複数の表現型を取り得ることを示唆している。今後は同一手法を身体的苦痛データにも適用し、両者の共通性と差異を体系的に明らかにすることで、痛み研究の統合的理解と応用への発展を目指す。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は温冷刺激装置をMRI室に導入し、先行研究(Losin et al., 2020)に基づいて刺激パラメータと撮像手順を確定させ、研究倫理審査も無事に通過した。装置装着時に被験者前腕がわずかに動く問題が判明したため、固定具と刺激位置を調整し、動きのアーチファクトを最小化して円滑な計測環境を整備した。これらの準備を終え、fMRI実験を開始済みである。次年度は被験者募集を完了させ、得られたデータで疼痛シグネチャーを構築し、社会的痛み課題との比較解析を進める予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き被験者を募集してデータ取得を完了させ、機械学習を活用して疼痛シグネチャーを構築する。完成したシグネチャーを社会的痛み課題や共感的苦痛課題に適用し、両者に共通する基盤と固有のパターンを検証することで、痛みと社会的機能の神経機構をより包括的に理解する。成果は国際学会や査読論文で発信し、解析手順も最新文献に合わせて継続的に更新する。さらに、データ管理と倫理体制を一層強化しつつ、社会的意義を意識した研究成果の波及を図る方針である。
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