研究課題/領域番号 |
23H00081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分11:代数学、幾何学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉永 正彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90467647)
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研究分担者 |
沼田 泰英 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00455685)
島田 伊知朗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10235616)
石川 昌治 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (10361784)
徳永 浩雄 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30211395)
阿部 拓郎 立教大学, 理学部, 教授 (50435971)
東谷 章弘 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (60723385)
辻栄 周平 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60755099)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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配分額 *注記 |
46,540千円 (直接経費: 35,800千円、間接経費: 10,740千円)
2025年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2024年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 超平面配置 / マグニチュード / ポセット / 対数的ベクトル場 / 二重被覆空間 / 数え上げ |
研究開始時の研究の概要 |
線形空間内の余次元1の部分空間の集まりを超平面配置という。複素超平面配置の補集合は位相幾何的な観点から重要な空間であるが、ここ10年ほど、そのワンダフル・コンパクト化と呼ばれる空間のホッジ構造の応用としてグラフの彩色多項式に関する長年の予想が解かれるなど注目を集めている。本研究では補集合や被覆空間の位相構造、代数的構造、数え上げ問題やその一般化に関連したいくつかのテーマを設定し、超平面配置、位相幾何、代数幾何、組合せ論の専門家の協力により研究を進める。周辺分野の研究者との情報共有や、若手、研究コミュニティーの育成のためのスクールやワークショップを開催しつつ研究を進める。
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研究実績の概要 |
超平面配置の位相的研究に関しては、いくつかの研究が進展した。P. Mucksch氏とミルナーファイバーのセル分割に関する研究を進めた。正則CW複体としての記述の候補が得られ、様々な例で検証をした。青本複体のq-類似を使って局所系係数コホモロジーが計算できるという結果をまとめ、プレプリントとして発表した。超平面配置がK(pi,1)でない場合に、ホモトピー群の元として非自明な球面を構成する手法を得た。また、ホモトピー的非自明性の証明には、ねじれHurewicz写像が非常に有効で、あることが分かった。これらの成果は内外のいくつかの研究集会で口頭発表した。以前導入したカスプ付きディバイドに関して、共同研究者の菅原朔見氏が研究を進め、カスプ付きディバイドとしてあらわされるリンクの特徴づけに関する成果を得た。 9月に「第0回組合せ論的ホッジ理論勉強会」を開催した、外部の専門家にマトロイドとホッジ理論の入門講義を依頼し、自分はAdiprasito-Huh-Katzの2018年の論文の解説を担当した。特性多項式の対数的凹性をもたらす一般的なメカニズムを見出し、実質的に、代数曲面に対する「ホッジの指数定理」から導かれていることが分かった。 Feigin氏、Wang氏と共同で対数的ベクトル場の積分表示に関する研究を進め、Hoge-Mano-Rohrle-Stumpによって得られていた複素鏡映自由多重配置の対数的ベクトル場の既定の積分表示を与えた。そのほか、2011年の若神子氏による二次元多重配置の基底の積分表示など、積分表示の有用性が明らかになった。この成果をプレプリントとしてまとめ、投稿中である。 以前得ていたEhrhart準多項式を使った中心対称多面体やゾノトープの特徴づけに関する論文がアクセプトされた。村井氏、分担者の東谷氏と共同研究を進め、精密化が得られたので、論文としてまとめ、投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、(a)超平面配置補集合の被覆空間の位相的構造、(b)カスプ付きディバイドの 研究、(c)対数的ベクトル場の加群、(d)Artinian-Gorenstein環のLefschetz性、(e)数え上げ準多項式、(f)マトロイドや数え上げ関数の拡張)を研究テーマとして設定して進める予定であった。上記の通り、(a), (b), (c), (e)については具体的な進展があった。特に(a)については、複数のテーマで進展があり、(b)については研究協力者により、決定的な成果が得られ、(c)に関しては我々の論文で解き残された、B2型カタラン配置に関する予想が、川ノ上氏により解かれた。(d)については、勉強会を開催し、コミュニティーによる最新理論への理解が深まった。総合的に、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
各テーマで進展中の研究があるので、引き関係者と協力して研究を進める。コミュニティーでの知識の共有を図るために、研究集会や勉強会等を実施する。
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