研究課題/領域番号 |
23H00084
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 俊行 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (80201490)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,280千円 (直接経費: 35,600千円、間接経費: 10,680千円)
2024年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 解析学 / 幾何学 / リー群 / 表現論 / 分岐則 / 等質空間 / 不連続群 |
研究開始時の研究の概要 |
無限次元空間における大きな連続的な対称性(リー群の既約表現)から小さな対称性に視点を変えたとき、その空間の振る舞いを解明する数学理論を、「表現における制限の理論(分岐則の理論)」という。その核心的な場合は、対称性が簡約リー群によって記述されているときの制限の理論であるが、この場合は、表現の理論において重要である一方、多くの困難な問題を内包している。 当該研究は、無限次元表現の制限の理論を主軸とし、未開拓の研究対象を新しい例とともに提示し、研究手法そのものを開発すると同時に、群作用のある非コンパクト多様体上の大域解析から保型形式や微分幾何にまたがる基礎理論の構築を目指すものである。
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研究実績の概要 |
研究代表者が主導している「緩増加等質空間の解析」「無限次元表現の分岐則の一般理論の構築」「対称性破れ作用素の母関数」のプロジェクトに関して海外の共同研究者と協力して研究を推進した。本年度の主要結果を以下に述べる。 (1) (分岐則における重複度の研究)簡約リー群の既約無限次元表現を簡約部分群に制限したときの精密な研究における深刻な障害は、無限重複度の現象が起こりうることである。研究代表者は従前の研究で有界重複度となる条件を決定し、そのような簡約群の組の分類を行った。この研究を土台にし、それを深化させる研究を行った。第一論文では、表現ごとに異なる重複度の上限を可視的作用の理論等を援用して研究した。特に「任意の極小表現を任意の簡約対称対に制限したときに重複度が一様有界性になる」という定理を論証した。また、第五論文では極小表現に限らない場合の小さな無限次元表現の分岐則の重複度に一般化し、精密な分岐則の新しい研究の方向性を開いた。 (2) (緩増加等質空間の解析)第二論文では非可換力学系の理論によって得られた等質空間の緩増加性という解析的性質が、極限代数の可解性という代数的性質や、幾何的量子化を与えるシンプレクティック多様体のある性質と同等であるという、解析ー代数ー幾何を結ぶ定理を証明した。さらに第三論文では、その応用として、一般線型リー群の退化主系列表現のテンソル積の緩増加性の判定条件を明示的に決定した。 (3) 第四論文では、数学の各分野の未解決問題について、「対称性の数学の新しい研究領域における予想」を担当し、等質空間論に関わる重要な未解決問題の解説を分担執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究テーマが専門が離れた分野の研究者にも関心をもたれることが当初の予想以上に多く、広い分野の研究者を対象に講演する機会があったため、有益なフィードバックが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
国際会議、対面での会合を積極的に企画し最先端の研究を意識しつつ、適切な課題を選別し、当該研究代表者が主導している (1)対称性破れ作用素の解析と整数論の問題への応用 (2)非リーマン局所対称空間上のスペクトル解析 のプロジェクトをフランス、アメリカの研究者等と協力してさらに活発な研究活動を展開したい。特に(1)として、「対称性破れ作用素」を統合的に扱うgenerating operatorsという新しい概念の研究を推進し、その基盤に関する国際共同研究を行う。(2)の基盤作りとして、擬リーマン対称空間を非対称な場合に拡張した研究を進める。 国際連携を保持・強化し、先端研究の情報交換を行い、新しい研究活動が遭遇することによってさらに飛躍が生まれる可能性が見込める場を積極的に作る。
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