研究課題/領域番号 |
23H00098
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
廣瀬 文彦 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50372339)
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研究分担者 |
有馬 ボシールアハンマド 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (30596549)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,280千円 (直接経費: 35,600千円、間接経費: 10,680千円)
2024年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 原子層堆積法 / 酸化物 / 超格子 / 結晶 / 光触媒 / ナノ周期構造 / 複合酸化物 / 吸着 / ラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
半導体製造で活用される原子層堆積法において、申請者はプラズマ励起加湿アルゴンによるOHラジカル励起法を発案し、堆積温度の室温化に世界に先駆けて成功してきた。本研究では、同法を深化させ、アトムレベルで濃度と膜厚が制御された複合酸化膜の超格子製造技術の獲得を狙う。そのためにOHラジカル処理された金属酸化膜表面で、精密に被覆率制御された複合分子吸着表面をつくる技術の獲得と、ラジカル照射下での再配列の促進、結晶化のための表面励起技術の開発を行う。また応用として、アナタースTiO2/TiON超格子による可視光触媒に挑戦する。プラズマ励起によって、アトムプログラミングデポジッションの実現に挑戦する。
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研究実績の概要 |
金属酸化膜の原子層堆積において、申請者はプラズマ励起によるOHラジカル励起で、堆積温度の室温化に成功してきた。本研究では、アトムレベルで濃度と膜厚が制御された複合酸化膜の超格子製造技術の獲得を狙う。そのために金属酸化膜表面で精密に被覆率が制御された複合分子吸着表面をつくる技術と、ラジカル照射下でのアトムリコンストラクションの促進、結晶化のための表面励起技術の開発を行う。またアナタースTiO2/TiON超格子による可視光触媒に挑戦する。 本年度で、表面反応をモニタリングするための多重内反射赤外吸収分光とラジカル飛来の検知のための接触角測定の整備を行った。さらに、研究の過程でラジカル飛来に対して酸化チタン薄膜トランジスタが高感度で感応することを見出し、ラジカルモニタリングとしての可能性を見出した。ストイキオメトリックデポジッションの競合吸着反応の評価として、Ⅱ族プリカーサーのジメチル亜鉛とⅣ属プリカーサーのテトラキスジメチルTiを評価し、反応モデルをたて、亜鉛タイタネート膜の亜鉛とTiの原子比を調整する照射量の関数を実験的に見出した。高エンタルピー分子共吸着については、ジメチル亜鉛を表面に先に吸着させてテトラキスジメチルTiを後吸着させる系を試したが、想定していた膜(亜鉛タイタネート)が付かず、この方法の有効性を確認できなかった。現在、高エンタルピー分子を酸化亜鉛に変えてこの方法の有効性を評価している。OHイオン技術について、本年度は装置の概念設計に留まった。再配列促進ドーピングについては、室温原子層堆積を行う上で、表面を酸化亜鉛にすると結晶化温度が低温化する事例が見つかり、再現性を含め評価中である。また室温結晶化の計算科学のために、ソフトウェアの整備を行った。可視光触媒膜の試作として、亜鉛タイタネートの試料を作製し、水分解水素製造試験について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全ての試験項目について障害なく進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では、ストイキオメトリックデポジッションの競合吸着反応評価として、Ⅱ族プリカーサーとⅢ属プリカーサーとの競合吸着反応を評価し、反応モデルをたて、酸化物膜の金属原子比率を自在に調整する照射量の関数を実験的に見出す予定である。高エンタルピー分子吸着について、ジメチル亜鉛を共存させ、表面吸着反応への影響や結晶性への評価を進める。低エネルギーOHイオン照射技術については、2024年度では実際にイオン発生装置を製作し、照射試験を実施する。再配列促進ドーピングについては、表面を酸化亜鉛にすると結晶化温度が低温化する事例が見つかり、再現性を含め評価する。室温結晶化のためのアトミックリコンストラクションの計算シミュレーションを行い、マイグレーションの活性化エネルギーの抽出を試みる。可視光触媒のための酸化チタン中への窒素取り込み技術について検討を開始する。
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