研究課題/領域番号 |
23H00153
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
大河内 直彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門, 部門長 (00281832)
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研究分担者 |
黒田 潤一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10435836)
小川 奈々子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), グループリーダー (80359174)
伊左治 雄太 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 研究員 (80836320)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2024年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2023年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
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キーワード | 窒素同位体比 / ポルフィリン / 地球内部 / 三畳紀末 |
研究開始時の研究の概要 |
地球史最大のマントル物質噴出イベントである中央大西洋洪水玄武岩が形成された三畳紀末を例に,マントルから大気へともたらされた窒素,特にN2の影響を同位体比記録として正確に復元する。特に,堆積物中から単離されたポルフィリンの窒素同位体比を測定することによって,当時の海洋一次生産者の正確な窒素同位体比を得る。さらに,オスミウム同位体比などからマントル物質の供給フラックスを推定する。モデルを用いて,地球内部と表層環境の間の窒素循環を一次近似的に復元し,断続的に起きてきた固体地球からの脱ガスが表層環境に与えた影響を論じる。
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研究実績の概要 |
本研究は,地球史最大のマントル物質噴出イベントである中央大西洋洪水玄武岩(CAMP)が形成された三畳紀末(2億100万年前)において,マントルから大気へともたらされた窒素,特に窒素ガス(N2)の影響を同位体比記録として正確に復元することが目的である。具体的には,堆積物中から単離されたポルフィリン(クロロフィルの中心環の化石分子)の窒素同位体比を測定することによって,当時の海洋一次生産者の正確な窒素同位体比を得る。R5年度には,英国南西部Bristol Channel Basinの露頭で得られた三畳紀末の堆積岩(St. Audrie’s Bay site)について,ボールミル等で試料を細かく粉砕した後,各種有機溶媒を用いてポルフィリンを抽出した。その後,シリカゲル・カラムクロマトグラフィーなどいくつかの湿式操作を経た後,DPEP(Deoxophylloerythroetioporphyrin)をはじめとする各種ポルフィリン化合物を,分取装置付き高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて単離・精製した。現時点において,9試料から精製されたDPEPについて,微量化された同位体比質量分析計(nano-EA/IRMS)を用いて窒素同位体比の測定に成功している。それらの値は-2‰から+7‰(vs. AIR)の範囲に分布することが明らかになった。いくつかの試料は,有機物の非常に少ない層から抽出されたものであり,今後一部の試料の再測定などを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に記載した通り,Dr. Calum Foxが研究協力者として本研究に参画しており,予定通り順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,さらなる試料の分析を進める。またそれと同時に,非常に有機物含有量の少ない試料から抽出されるDPEP量は同位体比測定に十分でないことが明らかになったため,ポルフィリン画分として,窒素同位体比の測定を行い,それを代用することも考慮している。
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