研究課題/領域番号 |
23H00156
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三村 秀和 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30362651)
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研究分担者 |
三石 郁之 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (90725863)
江川 悟 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (90885469)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2024年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2023年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
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キーワード | X線ミラー / 集光 / X線望遠鏡 / X線顕微鏡 / 精密計測 / X線望遠鏡 / X線顕微鏡 / ナノ精度加工 / ナノ精度計測 / 電鋳法 / ウォルターミラー |
研究開始時の研究の概要 |
レントゲンにより発見されたX線は大は宇宙観察し小は細胞を分析する。宇宙空間の遥か彼方の恒星、銀河の高エネルギー現象をとらえ、創薬に欠かせない細胞内たんぱく質の結晶構造を明らかにする。X線宇宙望遠鏡、X線顕微鏡ともにその性能向上の鍵はX線ミラーにある。本研究では大開口の大型高精度ウォルターミラーを実現する。そのため室温電鋳法における結晶学的理論に基づく転写精度向上と膜厚計測に基づく加工・計測システムを開発する。そしてロケット型太陽観察X線望遠鏡(FOXSI-4)に高精度ウォルターミラーを提供するとともに、SPring-8では多層化されたウォルターミラーを用いた高分解能X線顕微鏡に展開する。
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研究実績の概要 |
本研究では、大型ウォルターミラーを用いたX線望遠鏡およびX線顕微鏡において、ミラーを高精度化することで、両性能の向上を目指したものである。初年度の2023年度は、大型ミラーの高精度化のための内面計測装置および内面加工装置を設計開発した。 計測装置では、1本の計測プローブ、2本の運動補正用プローブを用いることで、走査ステージの運動誤差補正しながらミラー形状を測定する。計測プローブはミラー内面に挿入され、補正プローブは両脇に配置され平面ミラーを測定することでステージの運動誤差を測定する。大型ミラーを想定した場合、長時間の計測になるため測定の温度環境の安定性が重要となる。そのためフィードバック式の温度調整システムを整備し、±0.1度の安定性を実現した。その結果、目的とするウォルターミラーの形状の用いて1nm(RMS)の計測再現性と計測確からしさを実現した。 内面加工装置は、スラリージェットタイプの加工装置を整備した。本手法は、スラリーを加圧させノズルからスラリーをワーク表面に噴射する。XYZθステージの開発とノズルを含む噴射システムを構築し、加工装置を完成させ加工特性を調査した。両方の装置を連結させ形状修正が可能であることを確認した。 また、既存設備を使用し一部が高精度化されたマンドレルを用いて大型ミラー作製を行い、SPring-8において評価を行った。加工した領域において5秒角の角度分解能の性能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた大型ウォルターミラーの内面計測装置および内面加工装置が整備でき、さらに既存設備を用いた大型ウォルターミラーの作製を行い、これまでよりも高い性能を確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
X線望遠鏡については、開発した計測装置と加工装置を用いて実際に大型ウォルターミラーの形状修正加工を実施し更なる性能向上を確認する。X線顕微鏡については、大型ウォルターミラーの性能を活かした光学設計を実施する。
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