研究課題/領域番号 |
23H00157
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
土方 亘 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30618947)
|
研究分担者 |
藤原 立樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00632291)
大内 克洋 順天堂大学, 医療科学部, 先任准教授 (20322084)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2024年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2023年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
|
キーワード | 人工心臓 / 磁気浮上 / 流量推定 / 体循環シミュレータ / 補助人工心臓 / 心拍同期制御 / 心機能推定 / 外乱オブザーバ / サイバネティック臓器 / バイオシグナルフィードバック |
研究開始時の研究の概要 |
従来の医療・福祉機器は“失われた身体機能の補助・代替”を目的としており,健常者並み,もしくはそれ以上のQOL獲得は困難で,健康寿命延伸が課題である.そこで本研究では“健常者の能力を超える,または健常者とは異なる能力を獲得可能な医療機器・福祉機器”として,サイバネティック臓器のコンセプトを提案し,開拓を目指す.具体的には最新式の磁気浮上型人工心臓に人工知能を搭載し,アクチュエータとモータのみを用いて患者の拍動や心機能などをセンサレスに推定し,心拍同期制御などを搭載することで,人工心臓が人間の循環系に介在するシステムの実現を目指す.
|
研究実績の概要 |
従来の医療・福祉機器は“失われた身体機能の補助・代替”を目的としており,健常者並み,もしくはそれ以上のQOL獲得は困難で,健康寿命延伸が課題である.そこで本研究では“健常者の能力を超える,または健常者とは異なる能力を獲得可能な医療機器・福祉機器”として,サイバネティック臓器のコンセプトを提案し,開拓を目指す.具体的には最新式の磁気浮上型人工心臓に人工知能を搭載し,アクチュエータとモータのみを用いて患者の拍動や心機能などをセンサレスに推定し,人工心臓が人間の循環系に介在する状態を実現する.更に,患者の運動状態に応じて人工心臓の補助率を向上したり,安静時に敢えて心拍に反同期した拍動を発生して心機能の回復を促進させたりするために,心拍同期制御も実現する. 上記研究実現のために,①患者の拍動推定機能,②心臓の吐出流量推定機能,③患者の心機能推定機能,④患者の要求流量推定機能を実現したうえで,⑤心拍同期制御を追加のセンサを用いることなく実現させる.更に,大型動物による実験で心拍同期制御を実証する. この中で本年度は,①~⑤をin vitro実験で実施するための体循環シミュレータを設計・試作した.第一試作として模擬心臓が硬質のピストンポンプであるものの,正確な動作を確認した.さらに,①患者の拍動推定機能実現のために磁気浮上系に外乱オブザーバを構成し,拍動に伴う流体力を推定した.その結果,in vitro実験では推定を実現した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,磁気浮上系における外乱オブザーバの設計と実装,および体循環シミュレータの設計・試作を予定していた.体循環シミュレータでは,心室を硬質のピストンポンプとし,そこに各種弁や動脈のコンプライアンスを模擬したデバイスを設置した.その後,心疾患データベースに記載の圧力や流量を参考に,健常者から心疾患患者までの循環動態を再現可能であることを確認した.また,このシミュレータを用い,実装した外乱オブザーバで流体力を推定した.ロードセルとの比較で,高い精度で流体力を推定できていることを確認した.
|
今後の研究の推進方策 |
予定通り,体循環シミュレータと流体力推定システムを実現できた.ただし,体循環シミュレータでは硬質のピストンポンプを使用しており,人工心臓の血液吸引過多による心室の体積減少(サクション)は再現できていない.より患者の循環動態に近づけるために,シリコンを用いた模擬心臓も設計する予定である.また,今回設計した外乱オブザーバと体循環シミュレータを用い,当初予定通り人工心臓を通過するポンプ流量の推定や,心拍の推定システムを開発し,心拍同期制御系の実現を目指す予定である.
|