研究課題/領域番号 |
23H00200
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白井 和貴 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20610968)
|
研究分担者 |
竹内 崇 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (80624395)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
42,770千円 (直接経費: 32,900千円、間接経費: 9,870千円)
2024年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
|
キーワード | ジオポリマー / アルカリ活性化バインダー / 繊維補強ジオポリマー / 複合構造 / RC構造 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、セメントを使用しないコンクリート代替材料としてジオポリマーが着目されている。本研究の目標は、繊維混合ジオポリマー(FRG)を用いて既存の鉄筋コンクリート(RC)構造物を補強する技術を構築することである。本研究では、FRG層の付加により既存RC構造物を補強する際の非線形力学性状を明らかにするとともに構造性能の評価手法を構築することを目的とする。環境負荷低減に優れたジオポリマー技術を用い、既存RC構造物の耐震性等の力学性能を向上させて構造物を長寿命化し、持続可能な社会の実現へ貢献することを目指す。
|
研究実績の概要 |
2023年度には、繊維混合ジオポリマーと鉄筋コンクリートの複合部材を対象とした非線形有限要素法解析を実施した。有限要素法解析では、鉄筋コンクリート構造部材の頂部または底部に補強層として繊維混合ジオポリマーのレイヤーを設置した場合の、複合部材の最大耐力などの向上効果を、数値シミュレーションにより検討した。解析パラメータは、繊維混合ジオポリマー補強層の厚さおよび位置とした。これまでに得られた結果から、繊維混合ジオポリマー補強層を配置することで複合部材の最大耐力が上昇し、補強層の厚さが大きいほど最大耐力の向上効果も増大することが示された。また、繊維入り補強レイヤーと鉄筋コンクリートの複合部材を対象としたマクロモデルを用いた力学性能の評価について、数値解析的な検討を実施した。マクロモデルを用いた解析では、これまでに研究代表者らが超高性能コンクリートと鉄筋コンクリートの複合部材を対象として構築した解析モデル化手法を参考にしつつ、補強レイヤーと鉄筋コンクリート層の接合界面の挙動などの非線形特性についても考慮した検討を実施中である。実験面では、繊維混合ジオポリマーの要素試験の準備を行うとともに、走査電子顕微鏡やエネルギー分散型X線などの手法を用いる微視的分析のための準備を行った。さらに、繊維混合ジオポリマー補強層と鉄筋コンクリートの複合部材を対象とした非線形有限要素法解析から得られた検討成果などを、国際会議(2件)で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況としては、解析については、繊維混合ジオポリマーと鉄筋コンクリートの複合部材を想定し、非線形の有限要素法解析とマクロモデルを用いた解析的検討を実施中であり、概ね順調に進展している。一方、実験面では、準備に当初想定よりも時間を要しており、当初計画と比べてやや遅れている状況である。総合的には、概ね順調に推移していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、2023年度に引き続いて、繊維混合ジオポリマーの材料特性を把握するため、繊維混合ジオポリマー供試体の要素試験の準備と実施を行う計画である。ジオポリマーの原材料として、砂・フライアッシュ・高炉スラグ微粉末・シリカヒューム・水酸化ナトリウム・混和剤・水などを使用する。これらの原材料には、主に北海道内で生産/産出されたものも使用する。ジオポリマーに混合する繊維には、付着性や耐薬品性に優れるポリビニルアルコール繊維などを用いる。また、微視的分析の準備を行う計画である。さらに、繊維混合ジオポリマーと鉄筋コンクリートの複合部材の数値解析・理論解析として有限要素法解析やマクロモデル解析などを実施する計画である。
|