研究課題/領域番号 |
23H00218
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
越山 健治 関西大学, 社会安全学部, 教授 (40311774)
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研究分担者 |
永松 伸吾 関西大学, 社会安全学部, 教授 (90335331)
照本 清峰 関西学院大学, 建築学部, 教授 (10416399)
鍬田 泰子 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50379335)
廣井 悠 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50456141)
梶谷 義雄 香川大学, 創造工学部, 教授 (80371441)
塩崎 由人 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 災害過程研究部門, 契約研究員 (00824921)
佐藤 慶一 専修大学, ネットワーク情報学部, 教授 (90424192)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2024年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | 災害復興 / 総合知 / シミュレーション / 最適計画 / 復興戦略 / 復興モデル / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
災害復興研究において「どのように社会の復興を全体最適化するのか?」という学術的な問いが存在する.本研究は,複数の学術領域で創出された災害復興事例に関する研究成果と地域統計データの探索的解析結果を用いた「復興の集合知」のプロトタイプを作成し,そこに専門家群の知の挿入,シミュレーション結果のフィードバックにより科学的妥当性を高めた「復興の総合知」の構築を行う.これらを巨大災害(南海トラフ沖地震・首都直下地震)の被害想定に適用し,シミュレーション結果から導出される確率論的に抽出した複数の復興シナリオを材料とした「復興社会の最適戦略を検討する」新たな災害復興の計画技術の提案を行う.
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研究実績の概要 |
本年度は,災害復興を焦点としてモデル化しシミュレーションを行っている既存研究について整理した.これらからは、不確実性に対する社会科学から支配方程式の決定困難性が挙げられ、復興シミュレーションの目的によりモデル手法および構築内容が変化すること、既存データセットを用いた再現性の限界、新たな復興像導出の困難性について議論を行うことができた。 地域復興データの解析からモデリングを行う試行については、1980年以後の全国の都道府県・市町村の社会統計データをもとに、阪神・淡路大震災および東日本大震災の中長期データを抽出し、復興期の各種統計指標の動態と、因果関係および複数因子の組み合わせによる社会全体の時系列モデリングの試行を行った。今年度のデータ収集・分析からは、市町村指標において被害度・回復期の抽出が相応に困難であり、さらに都道府県レベルでは難しいことがわかった。日本の災害対応が自治体単位であり、例えば人口回復モデル等、人を扱う統計量の年次データを用いる場合、建物被害に比べて明確には数字で現れない。つまり同一自治体の資源移動が数字に反映されないこと、さらに行政データ特有の課題などがあり、実態に即していない部分もみられ、復興期のデータセットをどのように捉えるかという新たな挑戦課題を見出した。 復興社会全体のシミュレーションの計算モデルの構築および試行に関しては,プログラムの実行方法について当初予定していた手順が不能となり,プログラムの再構築とその実装が必要になった。そのため、モデリングをして計算結果を導出するまで至らず、シミュレーションの試行計算をすることができなかった。この点について、研究進捗全体に影響を及ぼしていることは否めない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の当初予定は、過去データに基づく定性モデルおよび既存研究から得た社会循環モデルおよび復興因果関係を組み込んだ時系列モデルのプロトタイプの構築であったが、その前提として、シミュレーションモデルの計算実行およびフィードバックシステムの利用があった。今年度、予定してた計算実行及びフィードバックシステムの実行が不能となり、新たな計算システムの構築が必要となったことから、その実装を含めて、本項目に大幅に時間をとることとなった。またこのシステムの構築が年度末になったことから、計算の試行およびフィードバックの作業ができていない。このため全体として進行が遅れていることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題の推進方策は以下の通りである。 まず早急に、今年度得られた研究成果をもとに、復興シミュレーションプログラムの実行を行い、複数回のフィードバックをもとに、復興社会をのプロトモデルを構築する。次に、全国の有識者集団と複数回ワークショップを開催し、復興モデルの妥当性について、議論・情報収集を行う。さらに、そこから得られた情報に基づき、復興シミュレーション計算モデルの変更・修正の可能性を探り、システム実装する。これらで得られた研究成果について、国内外に発表するスケジュールを計画的に管理する。
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