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ナノ析出による変態ヒステリシス制御の科学と形状記憶特性の革新

研究課題

研究課題/領域番号 23H00231
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分26:材料工学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

大森 俊洋  東北大学, 工学研究科, 教授 (60451530)

研究分担者 塚田 祐貴  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00620733)
XU XIAO  東北大学, 工学研究科, 准教授 (20781389)
赤嶺 大志  九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (40804737)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2025年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2024年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2023年度: 26,780千円 (直接経費: 20,600千円、間接経費: 6,180千円)
キーワードナノ析出 / マルテンサイト変態 / 超弾性 / 形状記憶合金
研究開始時の研究の概要

マルテンサイト変態は、変態が不可逆な材料では高強度化に、可逆な材料では形状記憶として利用でき、材料特性の高機能化に有用な相変態である。しかし、変態可逆性の制御は容易ではない。本研究では、ナノ析出物によりマルテンサイト変態様式を不可逆から準可逆や可逆へ変化させる学理の確立を目指す。さらに、学理に基づいてナノ析出組織を設計し、可逆変態を利用した超弾性疲労特性に優れる形状記憶合金の開発や、準可逆変態を利用したヒステリシスが広く締結力を付与可能な形状記憶合金の開発を行う。

研究実績の概要

マルテンサイト変態は母相とマルテンサイト相の間に10%程度の大きな変態歪を伴い、変態が不可逆な材料では高強度化に、可逆な材料では形状記憶として利用でき、材料特性の高機能化に有用な相変態である。しかし、変態可逆性の制御は容易ではない。本研究では、ナノ析出物によりマルテンサイト変態様式を不可逆から準可逆や可逆へ自在に変化させる学理の確立を目指して行った。この材料設計思想は、合金系を変えることなくナノ析出組織のみで変態可逆性とそれに伴う材料特性を制御できる点に特徴を有する。さらに、学理に基づいてナノ析出組織を設計し、可逆変態を利用した超弾性疲労特性に優れる形状記憶合金の開発や、準可逆変態を利用した変態ヒステリシスが広く締結力を付与可能な形状記憶合金の開発を行った。今年度は以下についての成果を得た。
1.合金設計:熱力学データベースを用いた状態図計算により合金設計を行った。Fe-Mn-Al-Ni系、Cu-Al-Mn-Ni系、Cu-Zn系について、第二相の析出温度と相分率、マルテンサイト変態を考慮しながら合金設計を行った。
2.相変態調査:合金組成や熱処理条件を様々に変化させたCu系、Fe系試料のマルテンサイト変態温度を、熱分析、電気抵抗や磁化測定により調査し、組成依存性を明らかにした。特に、Cu-Al-Mn系では約50Kまでの低温において熱的マルテンサイト変態を得ることができた。
3.ナノ組織:ナノ組織を観察するための実験条件を検討し、設計したナノ析出組織における析出物の構造同定とサイズ・数密度・組成の定量評価ならびに整合界面の構造解析をSEMにより行った。
4.組織シミュレーション:ナノ析出物を有するFe-Mn-Al-Niのマルテンサイト変態のフェーズフィールドシミュレーションを行った。母相・析出物の格子定数を実験により決定し、格子歪の影響を考慮しながら組織シミュレーションを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

熱力学計算による合金設計に基づき試料を作製し、マルテンサイト変態の組成依存性を明らかにでき、予定通りに進捗している。また、SEMによるナノ組織の観察やフェーズフィールドシミュレーションによる組織シミュレーションも予定通りに進展している。

今後の研究の推進方策

今年度の成果を活かし、ナノ組織の役割を明らかにしていくと共に、機能性の評価を実施していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Revisiting the Phase Equilibria in the Cu-Zn Binary System2023

    • 著者名/発表者名
      Lee Hyoungrok、Lee Inho、Xu Xiao、Omori Toshihiro、Kainuma Ryosuke
    • 雑誌名

      Journal of Phase Equilibria and Diffusion

      巻: 未定 号: 3 ページ: 304-317

    • DOI

      10.1007/s11669-023-01061-z

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Cu-Al-Mn 合金の応力下におけるマルテンサイト変態と形状記憶効果に及ぼすベイナイトの影響2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川凌太, 大森俊洋, 貝沼亮介
    • 学会等名
      日本金属学会2023年秋期(第173回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Cu-Al-Mn 合金単結晶におけるサブグレインが超弾性疲労特性に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      谷川由果, 許勝, 大森俊洋, 貝沼亮介
    • 学会等名
      日本金属学会2023年秋期(第173回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 状態図研究に基づく新規形状記憶合金の開発2023

    • 著者名/発表者名
      大森俊洋, 貝沼亮介
    • 学会等名
      形状記憶合金協会ASMA設立30周年記念講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-04-17  

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