研究課題/領域番号 |
23H00279
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 英昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00312992)
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研究分担者 |
鹿山 雅裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30634068)
姫野 武洋 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60376506)
羽柴 公博 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60456142)
逸見 良道 国立研究開発法人情報通信研究機構, テラヘルツ研究センター, 研究員 (60767680)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
38,610千円 (直接経費: 29,700千円、間接経費: 8,910千円)
2024年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2023年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 宇宙資源 / 小惑星 / 月 / レゴリス / 模擬土壌 / 探査計画 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽系探査は近年急速に進んでおり、人類は既に100個近くの天体の探査に成功している。今後は段階的に宇宙資源の「その場」利用が実現するだろう。我が国は小惑星サンプルリターン探査の先駆者であり、民間会社が多角的に参画した月着陸探査が進められるなど、宇宙資源開発に有利である。本研究は近未来に地球外で資源となりうる物質の具体名とその分布・利用法を明らかにし、地球外資源利用の先駆けとなるモデル構築を狙う。
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研究実績の概要 |
資源研究のフィールドは、地球外に広がっている。近年急速に進む地球近傍天体の科学探査は天体表面の状況把握に成功しているため、今後は段階的に宇宙資源の「その場」利用が実現すると考えられる。我が国は小惑星サンプルリターン探査の先駆者であり、宇宙機関のみならず大学や民間会社が多角的に参画しつつ月着陸探査を進めており、宇宙資源開発における強固な国際的優位性を確保しうる。 そこで本研究は①月・小惑星の科学探査の成果に基づき、大規模に利用可能な精密な天体表層模擬土壌を作成し、②これを用いて有用物を効率的に発見・採取・選鉱・精錬するための手法を検討し、③その原理実証装置(BBM)を開発することを目的として、その上で将来の探査計画に資源探査の側面で参画することを最終的なゴールとして研究を進めている。
今年度は、月と小惑星の双方において揮発性成分や金属という意味で資源探査を実施するために、リモートで広域の探査が可能な電磁波を用いた探査方法が有効と考え、周回機および着陸機での探査方法の検討を進めた。特に誘電率の値が水氷や金属の存在の有無で変化すること、その値が過去の月の電磁波探査の結果や小惑星の地上からのレーダー観測を解釈する上で重要である一方で、月および小惑星の表面において誘電率を直接計測した例が無いことに着目し、誘電率の直接計測手法について検討を進めた。
その結果、マイクロストリップラインを用いた共振器を、土砂と直性接触させることで正確に誘電率が測定できることを利用し、着陸探査において効果的に誘電率を計測できる小型かつ軽量な機器のBBMの開発に成功した。この考え方に基づき、NASAが進めている有人月探査計画(アルテミス計画)の着陸機に機器を提案し採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画では、3年間の研究を実施した後で資源探査に向けた探査装置のプロトタイプを作製し、そこから実際のミッションへの搭載を目指すことを予定していた。しかし月面の資源探査用としての誘電率測定装置の理論的検討が進み、ここから宇宙資源(特に揮発性成分と金属)に関連した科学的意義を深めることができたため、その内容をまとめて、NASAのアルテミス計画における宇宙飛行士が展開する科学機器の公募へ応募することができた。その結果、60以上の提案の中から選ばれた3件に入ることができ、実際のフライトに向けて詳細検討を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度開発した模擬土壌も用いて、やはり昨年度に作製した実証試験器のBBMを用いて、この機器の検証を進める。特に極低温も含めた幅広い温度条件や真空下での検証を進める。アルテミス計画だけでなく、将来の小惑星探査計画も視野に入れつつ、加熱抽出の機構も検討する。
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