研究課題/領域番号 |
23H00338
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
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研究分担者 |
田中 健太郎 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (20792766)
田副 博文 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 准教授 (60447381)
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2024年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
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キーワード | 産地判別 / ネオジム同位体 / トレーサビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な漁業と食糧保障のためには,水産資源の適切な管理及び漁業環境の保全が重要であり,そのために必要不可欠なことの1つは水産物のトレーサビリティの確立である.本研究では「データベース無しで地理的な情報を特定可能」「生物種の違いの影響を受けにくい」「部位・保存・加工などによる組成の変化が小さい」という強みを持つ,ネオジム同位体比を用いた水産物の産地判別法を確立することを目的とする.ネオ ジムの起源となる地質学的特徴から最終的に水産物のネオジム同位体比が地域固有の組成を獲得するまでの過程とメカニズムを定量的に解明する.
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研究実績の概要 |
本研究では「データベース無しで地理的な情報を特定可能」「生物種の違いの影響を受けにくい」「部位・保存・加工などによる組成の変化が小さい」という強みを持つ,ネオジム同位体比を用いた水産物の産地判別法を確立することを目的とする. 2023年度は生物軟組織試料の分析手法の検討を進めた.その結果,生物軟組織試料についてはネオジム同位体比分析に必要となる試料量が多くなりがちであるが,特に肝臓については大量の試料を湿式分解する際に脂質を完全に分解することが難しく,その後のネオジム単離工程の障害となることが明らかとなった.今後は乾式分解や事前の脱脂をさらに入念に行うなどして分離作業の最適化について検討する必要があることがわかった. また,2023年度は地質学的特徴を反映する範囲の特定と地理的スケールでの均質性の定量的評価も進めた.伊勢湾の各域からイガイ殻を採取し,イガイ殻ネオジム同位体比の湾内スケールの分布を明らかにすることができた.その結果,伊勢湾沿岸域ではイガイ殻ネオジム同位体比は後背地の地質に影響を受けこれまで報告した結果と整合的なパターンを示したものの,湾内スケールでは湾口の組成が湾奥域の影響を受ける可能性が示唆され,平均化された組成を示している可能性が示された.ネオジム同位体比は日本の他の地域と比較して低めの値を示しており,後背地の古い時代の地質と整合的な結果であった.また,火山や熱水活動の影響を強く受ける鹿児島湾にて貝殻と海水の対応を確認するための試料を採集した.日本・アジア・オセアニアのネオジム分布データベースの構築も進めた.特に,地中海沿岸域,オーストラリアなど複数地点のイガイ殻ネオジム同位体比分布のデータを得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では生物軟組織のネオジム同位体比分析手法を確立する作業が多くの試行錯誤のプロセスが必要となる最も大きなハードルであり,問題点の洗い出しが進んだことはネガティブな結果では無く大きな進捗であると言える.その点で,計画は概ね順調に進んでいると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して,簡易分析法の開発や生物試料の分析法の検討を進める.特に,乾式分解や湿式分解の試薬を複数試すなどして適切な前処理法について検証する.また,地質学的特徴を反映する範囲の特定と地理的スケールでの均質性を定量的に評価するために,イガイ殻ネオジム同位体比の調査範囲を東側に広げて三河湾・静岡県沿岸域の分布について明らかにしていく.また,産地判別するうえで種ごとに課題となる項目の影響についても新たに進める.特に,ニホンウナギの軟組織やナマコを対象とした手法開発について優先的に進める.
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