研究課題/領域番号 |
23H00366
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 敏之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30273858)
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研究分担者 |
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30554505)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2024年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2023年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | 自然免疫 / リソソーム / Toll様受容体 / トランスポーター / CryoEM |
研究開始時の研究の概要 |
自然免疫は病原体の感染をいち早く察知して炎症反応を引き起こす。自然免疫を誘導する病原体センサーとしてはToll様受容体 (TLR)がその代表例である。細胞は自己成分に対する過剰な免疫応答を防ぐため、核酸認識TLRをリソソームという細胞内小胞に局在させ、加えて小胞内の物質環境を精密かつ厳密に制御することで核酸認識TLRの過剰応答は抑制されると考えられている。本研究ではリソソームを核酸認識TLRが正常に機能するためのプラットフォームととらえ、その恒常性を維持する分子やプロセシングに関わる分子に注目し、構造科学的、分子細胞生物学、免疫学的に分子実態を解明する。
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研究実績の概要 |
自然免疫は病原体の感染をいち早く察知して炎症反応を引き起こすことに加え、後に続く獲得免疫を誘導するという極めて重要な役割を果たす。自然免疫を誘導する病原体センサーとしては、膜結合型のToll様受容体 (TLR;Toll-like receptor)がその代表例である。TLRは病原体に特徴的な微生物モチーフを危険シグナルとして認識するパターン認識受容体ファミリーであり、生体防御において重要である。 リソソームをプラットフォームとする自然免疫受容体TLR3は主としてウイルスに由来するdsRNAを認識する。これまでの研究により、最短でおよそ40 bpのdsRNAを介して二量体を形成することが明らかにされているが、効率的な活性化にはより長鎖のdsRNAを必要とする。しかしその機構については不明な点が多かった。我々はTLR3細胞外ドメイン試料と90 bpの dsRNAとの複合体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析により構造決定した。既報の二量体構造2つがdsRNAに沿って約90Å;の並進移動により配置されていた。より長鎖のdsRNAに対してはさらに高次の多量体を形成することも確認した。2つの二量体間は相補的な表面電荷を有していることから多量体形成には静電相互作用が重要な働きをしている可能性がある。このことを確認するため、二量体単位間の近接領域に存在する電荷をもつアミノ酸に特に注目し電荷反転変異を導入したところこれらの変異体は活性が有意に低下し、多量体形成能も低下した。長鎖dsRNAによるTLR3の効率的な活性化は、TLR3の多量体形成によって細胞内のTIRドメインの局所濃度上昇、アダプター分子(TRIF)との会合促進により効率的なシグナル伝達が可能となるためであると考えられる。リソソームに局在するTLR7、TLR8はヌクレオシドとオリゴRNAを認識する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長鎖dsRNAによるTLR3の活性増強機構を構造科学的に明らかにし論文化することができた。また並行してTLR7/8のDual阻害剤とTLR7/8との複合体解析にも成功し論文化している。またリソソームにおけるヌクレオシドトランスポーターSLC29A3の欠損は、ヒトの組織球性疾患であるSLC29A3異常症の原因となるが、ヌクレオシド蓄積によるTLR7/8の活性化されマクロファージの増殖を誘導していることも報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
TLR7が炎症ではなく増殖を誘導するには、DAP10やFcRγなどのITAMアダプターが関与することから、高次複合体を形成する必要がある可能性をある。このような工事複合体の構造解析を検討する。
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