研究課題/領域番号 |
23H00374
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
深田 正紀 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00335027)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
47,190千円 (直接経費: 36,300千円、間接経費: 10,890千円)
2024年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2023年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
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キーワード | シナプス / ナノドメイン / ナノカラム / ナノ構築 / 傍パラノード |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞は、シナプスやランビエ絞輪など多様な細胞膜ドメインを発達させ、安定かつ可塑的な神経伝達を遂行する。一方、これら特殊膜ドメインの機能不全は、様々な脳病態の原因となる。本研究では、シナプスや軸索-髄鞘間等におけるナノドメイン構築の中心原理を明らかにする。また、自己免疫性脳炎患者由来の自己抗体によるシナプス-ナノ構築の破綻と脳病態の関連性を解明する。
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研究実績の概要 |
神経細胞は、シナプスやランビエ絞輪など多様な細胞膜ドメインを発達させ、安定かつ可塑的な神経伝達を遂行する。近年の超解像顕微鏡観察により、シナプス前部と後部の機能タンパク質群はそれぞれナノドメインに集積し、両者が精緻に整列して機能するナノカラムの存在が推測された。私共は、ナノカラムを構成する超分子複合体 LGI1-ADAM22-PSD-95を見出した(Fukata Y, Fukata M et al. J Neurosci 2024, 記念総説) 。しかし、ナノカラムの土台となるナノドメインが形成、再編、維持されるメカニズムは未だ不明である。また、オリゴデンドロサイトと神経軸索の接触部位周辺に形成されるパラノードや傍パラノードにおいてもナノスケールの構造が報告され始めたが、詳細な分子基盤は不明である。本研究では、(1)LGI1-ADAM22リガンド-受容体ファミリーと、(2)PSD-95足場タンパク質の局在を制御するパルミトイル化脂質修飾を起点として、ナノドメイン構築機構を明らかにし、(3)LGI1自己抗体を活用して、ナノ構築の破綻と脳病態の関連性を解明することを目的とした。2023年度は、知的発達症との関連が示唆されているLGI3がオリゴデンドロサイトから分泌され、神経軸索上の傍バラノードにおいてナノドメインを形成することを見出した。また、脳内LGI3タンパク質の相互作用分子を網羅的・定量的に探索し、ADAM23とKv1チャネルを同定した。さらに、LGI3 ノックアウトマウスの脳組織において、傍パラノードにおけるADAM23とKv1チャネルが激減し、シナプス短期可塑性が阻害されることを見出した(Miyazaki et al. Cell Rep 2024)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LGI1-ADAM22ファミリーに属するLGI3-ADAM23複合体が傍パラノードにおいて、ナノドメインを形成し、神経伝導を制御することを見出した。また、パルミトイル化研究およびナノ病態研究も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1) LGI-ADAM-MAGUKシステムによるナノドメインの構築機構の解明: 2023年度に引き続き、LGI1-ADAM22-PSD-95複合体が形成するシナプス-ナノドメインとナノカラムの構築機構、およびその破綻による病態機構を明らかにしていく。 (2) パルミトイル化サイクルによるナノドメインの動的制御機構の解明: PSD-95のパルミトイル化サイクルを遮断した変異体を発現させた神経細胞における「シナプス-ナノ構築の変容」を明らかにしていく。 (3) シナプス-ナノ病態モデルマウスによる脳病態機構の解明: 自己免疫性辺縁系脳炎患者由来のLGI1自己抗体を活用して、シナプス-ナノ病態の解明を進める。
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