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野外でのジャスモン酸・サリチル酸応答動態とその生物間相互作用への影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23H00386
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関龍谷大学

研究代表者

永野 惇  龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00619877)

研究分担者 前田 太郎  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (50631404)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
47,450千円 (直接経費: 36,500千円、間接経費: 10,950千円)
2025年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2024年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
キーワードジャスモン酸 / サリチル酸 / 植食者 / トランスクリプトーム / 植物 / GWAS / 発現マーカー / 環境応答
研究開始時の研究の概要

野外では複数の物理的環境、生物的環境が複雑かつ複合的に変動する。複雑な野外環境下で、植物は虫害などの生物的環境刺激にどのように応答しているのだろうか?本研究では、生物的環境応答に主要な役割を果たす植物ホルモンのジャスモン酸/サリチル酸(JA/SA)が誘導する応答と温度・光・概日時計の相互作用を解明する。また、それをもとに作成したJA/SA応答発現マーカーと大規模野外食害調査データ、新規GWAS手法を組み合わせることで、野外でのJA/SA応答動態と生物間相互作用に与える影響の解明を目指す。

研究実績の概要

複雑な野外環境下で、植物は生物的環境に対してどのように応答し、さらにそれは植食者や周囲の植物個体との相互作用にどのような影響を与えているのだろうか?この問いに答えるため、本研究では、生物的環境応答に主要な役割を果たす植物ホルモンのジャスモン酸/サリチル酸を介して誘導される応答と温度・光・概日時計の相互作用の解明と、それをもとに作成したジャスモン酸/サリチル酸応答発現マーカーなどを用いた、野外でのジャスモン酸/サリチル酸応答動態の解明、および生物間相互作用に与える影響の解明、を目指す。
今年度は、まず、複雑な野外環境下におけるジャスモン酸/サリチル酸応答を推定するために、様々な温度、光、概日時計条件、ジャスモン酸/サリチル酸濃度条件で体系的なトランスクリプトームデータ取得を進めた。このようなデータの取得には、は非常に多数の植物の育成、サンプリング、RNA-Seq解析が必要となる。これまでに独自に確立してきた、96ウェルプレートを用いたシロイヌナズナ幼植物体の育成、破砕のシステムや、植物破砕液から直接逆転写が可能なバッファを用いることで、データの取得を効率的に進めた。これまでに取得した一部のデータを用いて、ジャスモン酸濃度、サリチル酸濃度(より正確にはある濃度で処理された状況に相当する植物の応答状態)を推定する発現マーカーを試作した。発現マーカーの学習に用いていないテストデータを用いて検証したところ、発現マーカーは様々なジャスモン酸濃度、サリチル酸濃度の組み合わせの条件において、ジャスモン酸濃度、サリチル酸濃度をそれぞれ独立に精度よく推定することが出来るということを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画に従って、様々な温度、光、概日時計条件、ジャスモン酸/サリチル酸濃度条件における体系的なトランスクリプトームデータ取得は順調に進捗している。また、一部のデータを用いて作成した発現マーカーの試作版も、現状のテストデータの範囲では十分な予測精度を示すことが確認できた。以上から、「(2)おおむね順調に進展している。」と判断した。

今後の研究の推進方策

次年度は、様々な温度、光、概日時計条件、ジャスモン酸/サリチル酸濃度条件における体系的なトランスクリプトームデータ取得を完了し、得られたトランスクリプトームデータ全体を用いて発現マーカーを作出する。また、作出した発現マーカーを実際の野外トランスクリプトームデータに適用し、野外における食害とジャスモン酸/サリチル酸応答状態の包括的な解析を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Plant Molecular Phenology and Climate Feedbacks Mediated by BVOCs2024

    • 著者名/発表者名
      Satake Akiko、Hagiwara Tomika、Nagano Atsushi J.、Yamaguchi Nobutoshi、Sekimoto Kanako、Shiojiri Kaori、Sudo Kengo
    • 雑誌名

      Annual Review of Plant Biology

      巻: 75 号: 1 ページ: 605-627

    • DOI

      10.1146/annurev-arplant-060223-032108

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Application of ethanol alleviates heat damage to leaf growth and yield in tomato2024

    • 著者名/発表者名
      Todaka Daisuke、Quynh Do Thi Nhu、Tanaka Maho、Utsumi Yoshinori、Utsumi Chikako、Ezoe Akihiro、Takahashi Satoshi、Ishida Junko、Kusano Miyako、Kobayashi Makoto、Saito Kazuki、Nagano Atsushi J.、Nakano Yoshimi、Mitsuda Nobutaka、Fujiwara Sumire、Seki Motoaki
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 15

    • DOI

      10.3389/fpls.2024.1325365

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An ecological network approach for detecting and validating influential organisms for rice growth2023

    • 著者名/発表者名
      Ushio Masayuki、Saito Hiroki、Tojo Motoaki、Nagano Atsushi J
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 12

    • DOI

      10.7554/elife.87202.3

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A low-coverage 3′ RNA-seq to detect homeolog expression in polyploid wheat2023

    • 著者名/発表者名
      Sun Jianqiang、Okada Moeko、Tameshige Toshiaki、Shimizu-Inatsugi Rie、Akiyama Reiko、Nagano Atsushi?J、Sese Jun、Shimizu Kentaro?K
    • 雑誌名

      NAR Genomics and Bioinformatics

      巻: 5 号: 3

    • DOI

      10.1093/nargab/lqad067

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] BVOC放出の環境応答の定量的なモデル化にむけて2024

    • 著者名/発表者名
      永野惇
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 大規模トランスクリプトームによるサリチル酸/ジャスモン酸に対する濃度依存的応答の解析2024

    • 著者名/発表者名
      冨田敦幹,前田太郎,森山(毛利) 奈津美,野村康之,栗田悠子,鹿島 誠,冨田勝,別役重之,永野惇
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 大規模トランスクリプトームによるSA/JA量依存的な転写応答の解析2023

    • 著者名/発表者名
      冨田敦幹,前田太郎,森山(毛利) 奈津美,野村康之,栗田悠子,鹿島 誠,冨田勝,別役重之,永野惇
    • 学会等名
      植物化学調節学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

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