| 研究課題/領域番号 |
23H00391
|
| 研究種目 |
基盤研究(A)
|
| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
|
| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 欽一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80302892)
|
| 研究分担者 |
城村 由和 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (40616322)
|
| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
|
| 配分額 *注記 |
46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2026年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2025年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2024年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2023年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
|
| キーワード | 精神・神経疾患 / 老化 / レット症候群 / レトロトランスポゾン / 逆転写酵素阻害剤 / 脳老化 / 神経疾患 / 細胞間相互作用 |
| 研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴い脳老化・機能低下が進行する。この原因として神経細胞の機能や新生神経細胞能の低下が考えられるが、その機序は不明である。一方で、神経疾患脳で実は、細胞老化や炎症の亢進が観察されている。そこで本研究では、老齢及び神経疾患脳内でどの細胞種がどのようなエピゲノム状態を取ることで老化状態に陥り、脳内炎症が誘発され脳機能低下に至るのか、その共通原理を明らかにする。さらに、逆転写酵素阻害剤の投与でレトロトランスポゾンのcDNA合成を阻害し、細胞間相互作用を抑制することで、脳機能低下が改善できるかどうかも検討する。本研究の遂行により、老化と神経疾患に共通した、神経機能維持・改善方法の提示が期待できる。
|
| 研究実績の概要 |
加齢に伴い脳の老化、すなわち脳機能の低下が進行する。この原因として神経細胞(ニューロン)の機能や学習・記憶に重要な海馬におけるニューロン新生能力の低下が考えられるが、老化がこのような機能低下を引き起こすメカニズムは不明である。一方で、発達障害を含む多くの神経疾患脳で実は、細胞老化や炎症の亢進が観察されている。我々はこれまでに、マルチオミックス解析によりエピジェネティックな神経系細胞機能制御機構及び老化細胞の誘導・維持機構を明らかにしてきた。その過程で、老化細胞ではレトロトランスポゾンの発現が増加し、そのゲノム内転移ではなく逆転写で産生されたcDNAが、細胞間相互作用を媒介し脳内炎症を惹起する可能性を見出している。また、世界初に老化細胞を生体内にて1細胞レベルで検出・解析できるマウスも作製した。そこで本研究ではこれらの知見・技術・材料を駆使し、老齢及び神経疾患脳内でどの細胞種がどのようなエピゲノム状態を取ることで老化状態に陥り、脳内炎症が誘発され脳機能低下に至るのか、その普遍的原理を明らかにし、逆転写酵素阻害剤の投与でレトロトランスポゾンのcDNA合成を阻害し、脳機能低下が改善できるかどうかを検討することを目的とした。 本年度は昨年度に引き続きp16-tdTomato陽性細胞の一細胞解析を行い、野生型(WT)及びレット症候群(RTT)モデルマウス(MeCP2欠損マウス)由来のtdTomato陽性細胞には、興奮性ニューロンが濃縮されていることがわかった。また、MeCP2欠損マウスにおいて、逆転写酵素阻害剤の投与によりミクログリアの活性化の抑制やニューロンのスパイン数の増加、自閉症様行動の正常化など、RTT様病態が改善することがわかった。さらに、RTT患者iPS細胞由来オルガノイドで見られる成長不全が、逆転写酵素阻害剤の添加により改善されることがわかった。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
逆転写酵素阻害剤の投与により、RTTモデルマウスや患者由来オルガノイドの病態改善が見られ、我々の仮説を指示するデータが蓄積しつつあるため。
|
| 今後の研究の推進方策 |
令和7年度は、MeCP2欠損あるいは野生型p16-CreERT2-tdTomatoマウス脳における1細胞RNA-seq等による、さらなる分子生物学的解析を行う。また、L1の発現を特異的に誘導、あるいは減弱させるコンストラクトの作製とその効果を検討する。さらに、ヒトレット患者iPS細胞由来脳オルガノイドを用いて、逆転写酵素阻害剤投与により、神経活動異常が改善されるかどうかを調べる。
|