研究課題/領域番号 |
23H00442
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
田中 芳彦 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00398083)
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研究分担者 |
中山 二郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (40217930)
坂上 竜資 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (50215612)
岸川 咲吏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50781358)
吉永 泰周 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452869)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
47,320千円 (直接経費: 36,400千円、間接経費: 10,920千円)
2024年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2023年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
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キーワード | 歯周病 / 免疫応答 / 細菌叢 / 歯周病原細菌 / 治療法 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は歯を失う最大の原因であり、ヒト歯周病医療を視野に入れた基礎的研究の社会的要請が高まっている。歯周病では、歯周病原細菌に応答してインターロイキン17Aを産生するヘルパーT細胞Th17を介した免疫応答による病態悪化が注目されているが、その免疫応答から病態悪化に至る機構は十分に解明されていない。本研究は、歯周病における腸内細菌叢と責任Th17細胞による免疫制御の解析から腸-口腔連関を介した歯周病の免疫応答調節機構を解明し、細菌叢を標的としたヒト歯周病の新しい治療法を開発する。この研究成果からヒト歯周病医療の臨床応用への道が拓かれることが期待される。
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研究実績の概要 |
ヒト細菌叢と責任Th17細胞による免疫制御の解析による腸-口腔連関を介した歯周病の免疫応答調節機構の解明とそれに基づくヒト歯周病の新しい予防法・治療法の開発を目指して研究計画を遂行した。 1. 歯周病におけるヒト腸内細菌叢の役割の解明 1)歯周病患者における腸内および口腔内細菌叢の解析:本研究を動物実験からヒト歯周病研究に発展させるため、未治療の重度歯周炎患者と対照の健常者を対象に次世代シーケンサーによる腸内および口腔内細菌叢の解析と細菌が産生する代謝産物の解析を行った。具体的には、治療前後の臨床症状やスケーリング等の歯肉組織検査のモニターを開始した。唾液ならびに歯肉縁下プラーク、および糞便採取キットで採取した糞便を次世代シーケンサーとLC-MSにより腸内細菌叢を解析しデータ収集を実施した。 2)腸内細菌叢が歯周病の病態に及ぼす影響の解明:無菌マウスに患者ならびに健常者の便移植を行い、腸内細菌叢を定着させたマウスの作成にとりかかった。歯周病感染モデル実験を用いてヒト腸内細菌叢が及ぼす歯周病の病態評価を開始した。具体的には、計画1-1)で採取した腸内細菌叢を無菌マウスへ便移植して複数のヒト細菌叢定着マウスを作成した。また、歯周病感染モデルマウスの評価系で、ヒト腸内細菌叢を有するマウスで歯周病の病態を観察し、歯周病に対する感受性を評価する実験に着手した。 2. 腸内細菌叢が歯周病の病態を制御する免疫応答調節機構の解明 3)腸内細菌叢のメタボロミクス解析:歯周病原細菌に応答する責任Th17細胞を腸内細菌叢が増強する分子メカニズムの解明に向けてメタボロミクス解析に着手した。具体的には、Th17細胞分化を抑制する胆汁酸に着目して、基質となる胆汁酸を代謝することで歯周病の病態を調節する腸内細菌種をヒト便から単離することを目指して、胆汁酸代謝の解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い今年度の本科研費で購入した備品を有効に活用して、腸-口腔連関を介した歯周病の免疫応答調節機構の解明とそれに基づくヒト歯周病の新しい予防法・治療法の開発に向けて解析が進んでいます。全体としておおむね順調に進展しています。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って順調に経過しており、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は見当たりません。今後も研究計画に沿って本研究を推進していきます。
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