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非結核性抗酸菌の環境内生残影響要因と関連ゲノム因子解明

研究課題

研究課題/領域番号 23H00451
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関広島大学

研究代表者

丸山 史人  広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 教授 (30423122)

研究分担者 港 雄介  藤田医科大学, 感染症研究センター, 准教授 (10836620)
藤吉 奏  富山県立大学, 工学部, 准教授 (20805808)
岩本 朋忠  神戸市健康科学研究所, その他部局等, 所長 (70416402)
森田 大地  広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (80826371)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
47,450千円 (直接経費: 36,500千円、間接経費: 10,950千円)
2025年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2024年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2023年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
キーワード非結核性抗酸菌 / 環境ゲノム / 病原細菌 / 比較ゲノム / Mycobacterium avium / ゲノム / 環境 / 動態 / バイオエアロゾル / mycobacterium avium
研究開始時の研究の概要

これまで申請者らは、原因菌の一つであるMycobacterium aviumに着目して知見を重ね、i) 慢性型には見られない進行型特異的なSNPs、ii) 日本特異的な新たなゲノムグループの発見と各グループを同定可能な塩基配列、iii) 赤血球上に接着し増殖するという新しい生態を見出してきた。しかし、多様な環境に生息し多様なゲノムグループを示す本菌の、臨床株に特異的な外来因子を含む遺伝要因や抗生物質耐性を含む難治性、感染にかかわるエアロゾル状態時の生存能に関わる遺伝因子は不明のままである。そこで、情報学的に見出された環境適応に関与する遺伝的多型の機能を実験的に証明する。

研究実績の概要

難治性の慢性呼吸器感染症である肺NTM症 (Non-tuberculous mycobacteria, NTM)は、国内の罹患率が世界一高いことから公衆衛生上の対策が急務である。これまで申請者らは、原因菌の一つであるMycobacterium avium subp. homnisuissに着目して知見を重ね、i) 慢性型には見られない進行型特異的な遺伝子変異、ii) 日本特異的な新たなゲノムグループの発見と各グループを同定可能な塩基配列、iii) 結核と異なり赤血球上に接着し増殖するという新しい生態を見出してきた。しかし、多様な環境に生息し多様なゲノムグループを示す本菌の、臨床株に特異的な外来因子を含む遺伝要因や抗生物質耐性を含む難治性、感染にかかわるエアロゾル状態時の生存能に関わる遺伝因子は不明のままである。そこで本申請研究では、本年度までの基盤Aにて確立したトランスポゾンシーケンシングに加え、特異的な遺伝子サイレンシングが可能なCRISPRi、ORBITを含む分子生物学の手法を確立し、情報学的に見出された環境適応に関与する遺伝的多型の機能を実験的に証明する。さらに、得られる本多型を用いた簡易微生物評価基盤を構築することを目的としている。本年度は、エアロゾル状態の本菌の生残を正しく評価するための独自エアオロゾル状態評価装置の開発を行い、これに成功した。ただし、ベースラインとなる環境の清浄度の向上が必要となったため、これに引き続き取り組む。また、モデル細菌を用いたORBITについて系の構築を進めているものの結果が不安定のため、この改善に引き続き取り組む。環境単離細菌株のトランスポゾンシーケンスデータが得られたため、この解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記に示したように、それぞれの課題において、課題は残っているものの、特段の遅延は見られず、これまでの研究課題で蓄積してきた予備データをもとに着実に進められていると考えられるため。以下に、詳細を示す。1) ミネソタ大学で習得したORBITの系を、広島大学においてM. smegmatisで確立する。2) 7箇所から得られた異なる24株のクローンのゲノム配列を決定する。代表者が保 有するillumina社MiniSeqによりショートリードを取得、Nanopore社GridIONでロ ングリードを取得する。パルスフィールドゲル電気泳動実験と整合性のあうFlyeアセンブラでpilon精密化ソフトウェアの条件を決定する。解析で残ったショートリー ドを用いて、10 kbp以下のプラスミドの存在の有無を決定する。ポリクローンで共存することが、環境適応に有利となるかを、申請者が報告済みのKEGG代謝パスウェイデータベース登録されているパスウェイを複数株で埋めることができるかで評価する (ISME J. 9:629-42. 2015)。3) 抗酸菌の分子疫学で用いられるVariable Number of Tandem Repeat (VNTR) 法を高精度な完全、ドラフトゲノム配列を用いてin silicoで実施し、性能を評価する。これらが、初年度の計画であり、これらは、方法論を全て確立できている。ただし、ここの手法を実際の原著論文報告可能なデータセットへの適応がまだとなっている。ただし、上述したようにそのほかについて予定よりも早く進んでいることから、最初に示した進捗とした。

今後の研究の推進方策

以下が、当初の予定であり、これに従う。1) 分担者が発表した、M. intracellulareを用いたトランスポゾンシーケンスの方法 (Sci Rep . 2020 10:5449)に従い、M. aviumでもトランスポゾンシーケンスの系を確立する。加 えて、CRISPRi、ORBITの系も広島大学で確立する。2) この系を用いて、記載した条件ごとの必須遺伝子をトランスポゾンシーケンスで同定、CRISPRi、ORBITで検証する。3) エアロゾル/非エアロゾル状態、バイオフィルム形成/浮遊状態、クラリスロマイシン・イソニアジド耐性/非耐性状態、それぞれの状態で2群に分け、各群50株を用 いてこれらの表現型に関与するゲノム変異をゲノム連関解析(Genome Wide Association Study; GWAS)で明らかにする。最近報告されたGenome-wide epistasis and co-selection study(GWES)(Nuc Acids Res, 47: e112. 2019)により、候補を絞り込む。さらに、virulence adaptive polymorphisms (VAPs) 解析(Nat Microbiol. 2:16240. 2016) におけるタンパク質の同義置換に対する非同義置換比のしきい値を高めることで、CRISPRi、ORBITで実験的に実証する遺伝子候補を数十まで絞り込む。4) これまでのロングリードはその質が低いことが問題となっていたが、技術の改良により、これまでのようにショートリードを用いることなく、ロングリードのみで十分な質が得られるという情報がある。そこで、その有用性を評価し、in silico VNTR法を確立する。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 備考 (5件)

  • [備考] 研究室HP

    • URL

      https://mge.hiroshima-u.ac.jp

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] ORCID

    • URL

      https://orcid.org/0000-0003-2347-616X

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      2023 実績報告書
  • [備考] Google Scholar

    • URL

      https://scholar.google.com/citations?user=HeDrKa4AAAAJ&hl=ja&oi=ao

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      2023 実績報告書
  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/read0091166

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      2023 実績報告書
  • [備考] 広島大学研究者総覧

    • URL

      https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.9e8774cd06d23a8b520e17560c007669.html

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      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

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