• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

時空間ダイナミクスを活用したソフトセンサによる生物知能的適応学習

研究課題

研究課題/領域番号 23H00498
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分61:人間情報学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

細田 耕  京都大学, 工学研究科, 教授 (10252610)

研究分担者 古川 英光  山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50282827)
吉田 一也  山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20814221)
川節 拓実  京都大学, 工学研究科, 講師 (70868330)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2025年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2024年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2023年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
キーワードソフトセンサ / 生物模倣 / イオンゲル / 多感覚モダリティ学習 / イオン液体
研究開始時の研究の概要

力学的構造を持つ柔らかい皮膚の内部に受容器が埋め込まれたソフト触覚センサを開発し,そこに生じる時空間ダイナミクスを活用して,適応・学習を前提に対象認識や状態推定を行う.異なる特性を持ついくつかの柔らかい素材で皮膚内部に構造を作る付加的製造法を開発し,皮膚内に複雑なマイクロ流路を埋め込み,イオン流体やイオンゲルを封入することで,これまでなかった新しいソフト触覚センサを作る.このセンサの柔らかい皮膚と流路の構造,さらにはゲル・流体への添加物によってできる時空間ダイナミクスによって,適応学習を通して,少ない受容器数でこれまでの硬いロボットでは難しかった適応的な触運動,生物知能的なふるまいを実現する.

研究実績の概要

2023年度の主な研究実績は以下の通りである.
(1)イオン液体を用いた柔らかいセンサの構造をうまく設計することで,少ない数の測定値から接触位置と圧力の両方を計測する技術を提案し,実験によってその有効性を検証した.
触覚情報は,物体の操作や把持にとって極めて重要である.導電性材料(イオン液体)を要素として使用する柔らかい触覚センサから,接触位置や圧力を含む接触情報が取得できるが,位置と圧力に分類することは難しい.本研究では,シリコンゴムの内部に2つのチャネルを持ち,イオン液体を充填した触覚センサを開発した.2つのチャネルは上から見ると平行で,側面から見ると異なる傾斜で配置されおり,チャネルに平行な接触位置は2つのチャネルの抵抗変化に基づいて決定することができ,圧力は接触位置の推定値に基づいたモデルを通じて得ることができる.
(2)単一のチャネルにイオン液体を満たしたシリコンゴムの指先を作成し,その指先センサによって,環境との接触と,把持した物体の分類が可能であることを示した.
シリコンゴムでできた柔らかい指先は,対象に自然になじみ,また内部にチャネルを作成してイオン液体を満たすことで,接触に関する情報を,柔らかさを損なうことなく得ることができる.一方で,流路を細かくすることが難しいため,得られる測定値の「数」は少ない.本研究では,単一のチャネルにイオン液体を満たしたシリコンゴムの指先の作成法を提案し,指先の接触情報と,対象を把持したときの触覚情報を同一のチャネルの測定値から得られることを示した.この指先を,ロボットアームの先端に取り付け,紙やフィルムのようなシート状のものをつまみ上げることできること,指先の接触情報から,対象の高さを知ることができること,把持した後の触覚情報から,複数の形状と柔らかさの対象を分類できることを実験的に示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

単一,あるいは複数の流路を持つイオン液体センサをロボットハンドの先端に装備し,これによって複数の触覚情報を得ることができた.柔らかいセンサによって,これまでの表面実装された触覚センサでは難しかったタスクを容易にできることが初年度で示すことができたことは,当初の計画よりも進んでいる.

今後の研究の推進方策

山形大の研究分担者と協力し,イオン液体にダイナミクスを持たせた新たなソフトセンサを開発し,その測定能力と,それによって実現することができるタスクを調べる.また,少ないモダリティでタスクを実現するための学習法について,研究を進める予定である.

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Implementation of Basic Reflex Functions on Musculoskeletal Robots Driven by Pneumatic Artificial Muscle2023

    • 著者名/発表者名
      Ryu Takahashi, Yanlin Wang, Junqi Wang, Yelin Jiang, and Koh Hosoda
    • 雑誌名

      IEEE Robotics and Automation Letters

      巻: 8,4 号: 4 ページ: 1920-1926

    • DOI

      10.1109/lra.2023.3245403

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Soft Tactile Sensors Having Two Channels With Different Slopes for Contact Position and Pressure Estimation2023

    • 著者名/発表者名
      Ohashi Hirono、Yasuda Takuto、Kawasetsu Takumi、Hosoda Koh
    • 雑誌名

      IEEE Sensors Letters

      巻: (in press) 号: 5 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1109/lsens.2023.3268888

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Enhancing postural stability in a musculoskeletal hopping robot through stretch reflex application on biarticular thigh muscles2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Ryu、Murakami Yuki、Hosoda Koh
    • 雑誌名

      Frontiers in Robotics and AI

      巻: 10 ページ: 1-13

    • DOI

      10.3389/frobt.2023.1293365

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 体性感覚受容のためのイオン液体を充填した柔軟なロボット指2023

    • 著者名/発表者名
      黒須賢志,川節拓実,細田耕
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] フォトリフレクタによる弾性体変形の非接触測定を利用した取り付け式触覚センサ2023

    • 著者名/発表者名
      山本誠一,石塚裕己,川節拓実,細田耕,池田聖,大城理
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 指腹部剛性可変な対向2指グリッパを用いたダイナミックタッチにおける応答特性調査2023

    • 著者名/発表者名
      南川健志郎,柳田栞吾,川節拓実,細田耕
    • 学会等名
      日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 柔軟固有感覚からの自己運動と外部刺激の抽出と未知物体把持の実現2023

    • 著者名/発表者名
      右田浩基,川節拓実,細田耕
    • 学会等名
      日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] せん断力を垂直抗力に変換するコンプライアントメカニズムのロボットグリッパ応用2023

    • 著者名/発表者名
      中原弘貴,水野海渡,川節拓実,細田耕
    • 学会等名
      日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Two-Finger Gripper with Variable Stiffness of Finger Pad for Hardware Filtering in Dynamic Touch2023

    • 著者名/発表者名
      enjiro Minamikawa, Kango Yanagida, Yotaro Morizumi, Takumi Kawasetsu, and Koh Hosoda
    • 学会等名
      2023 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics (ROBIO)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi