研究課題/領域番号 |
23H00512
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池中 良徳 北海道大学, One Healthリサーチセンター, 教授 (40543509)
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研究分担者 |
星 信彦 神戸大学, 農学研究科, 教授 (10209223)
野見山 桂 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (30512686)
杉尾 翔太 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (30825344)
石塚 真由美 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (50332474)
戸田 知得 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (70571199)
江口 哲史 千葉大学, 予防医学センター, 講師 (70595826)
池中 建介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70774058)
平野 哲史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (70804590)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2024年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2023年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | シグナル毒性 / 脳機能攪乱検出法 / 脳機能ネットワーク / イメージング / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
一部の化学物質は、脳内の受容体に作用する事で細胞の情報伝達を撹乱すシグナル毒性を示し、予期せぬ影響を引き起こす。本研究では、これまでの毒性試験では検出できなかった、シグナル毒性を起因とする脳機能ネットワーク撹乱を検出するため、新たなイメージング技術の確立を目指すと共に、高感度なバイオマーカーを開発する。また、臨床試験も併せて実施する事で、曝露やバイオマーカーのモニタリング手法や中毒診断法の確立を目指す。本研究では、これら1連の検出・診断技術をシグナル毒性評価プラットフォームとして、その創設を目指す。
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研究実績の概要 |
一部の化学物質は、脳内の受容体に作用する事で細胞の情報伝達を撹乱すシグナル毒性を示し、予期せぬ影響を引き起こす。本研究では、これまでの毒性試験では検出できなかった、シグナル毒性を起因とする脳機能ネットワーク撹乱を検出するため、新たなイメージング技術の確立を目指すと共に、高感度なバイオマーカーを開発する。また、臨床試験も併せて実施する事で、曝露やバイオマーカーのモニタリング手法や中毒診断法の確立を目指す。本研究では、これら1連の検出・診断技術をシグナル毒性評価プラットフォームとして、その創設を目指す。 今年度は、脳機能ネットワークの撹乱を検出するため、in vivoイメージングを駆使した、新たな検出手法を開発に従事した。特に、Arc-Cre/ ERT2;Ai14トランスジェニックマウスを用いたイメージング手法を新たに立ち上げ、脳神経およびグリア細胞攪乱の観察のための新たな技術基盤の確立を試みた。また、3種の特徴的なメタボローム解析を実施し、有効なバイオマーカーを探索を試みた。トランスジェニックマウスを用いたイメージングでは、繁殖は成功したものの、マウスの系統管理に問題があり、ターゲットとする遺伝子が導入されたマウスを得る事が出来なかった。一方、メタボローム解析では、専用のLC/Q-TOF/MSを用いる事で、脳機能攪乱に対する新たなバイオマーカー候補の分子をいくつか同定する事が出来た。 臨床研究では、大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講座が運営する神経疾患バイオバンクから対象とする試料の選定を開始している。また、北海道大学環境健康センターのコホート研究(北海道スタディー)からも候補の試料の選定を開始している。 海外研究については、ガーナの農村地域におけるサンプリングが完了し、人の尿サンプル1000サンプル以上を採取する事が出来た。現在、尿中の農薬成分の分析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Arc-Cre/ ERT2;Ai14トランスジェニックマウスを用いたイメージング手法を新たに立ち上げ、脳神経およびグリア細胞攪乱の観察のための新たな技術基盤の確立を試みたが、マウスの系統の選別に時間が要してしてしまっている状況である。そこで、昨年度、新たなペアを搬入し、改めて系統の選別に試みている。 一方、毒性マーカーの探索は、メタボローム解析・リピドーム解析を中心に順調に進んでいる。新たにLC/Q-TOF/MS(Agilent 6456 LC/Q-TOF)が導入され、実質本研究に占有できる環境が整った。投与の有無により変動するマーカーを脳を中心に各臓器で探索を開始した。その結果、脳において、既にいくつかのマーカー候補が見つかっている。 臨床研究については、大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講座が運営する神経疾患バイオバンクから対象とする試料の選定を開始している。また、北海道大学環境健康センターのコホート研究(北海道スタディー)からも候補の試料の選定を開始している。 海外研究については、ガーナの農村地域におけるサンプリングが完了し、人の尿サンプル1000サンプル以上を採取する事が出来た。現在、尿中の農薬成分の分析を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、化学物質による脳機能ネットワークの撹乱を検出するため、in vivoイメージングを駆使した、新たな検出手法を開発を継続する。系統の管理の問題のため、進捗が遅れている、Arc-Cre/ ERT2;Ai14トランスジェニックマウスを用いたイメージング手法を確立するとともに、メタボローム解析を引き続き実施していく。 また、臨床研究についても、選定した試料の分析を開始する。
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