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血管内皮アトラスの創出とオンデマンド標的型RNAナノ創剤基盤の実装

研究課題

研究課題/領域番号 23H00542
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分90:人間医工学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

秋田 英万  東北大学, 薬学研究科, 教授 (80344472)

研究分担者 内田 康雄  広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (70583590)
櫻井 遊  東北大学, 薬学研究科, 講師 (00707234)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2025年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2024年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2023年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
キーワードLNP / リガンド / 標的化 / mRNA / DDS / RNA創薬 / RNA創剤
研究開始時の研究の概要

我々はこれまで、細胞内環境に応答して生体膜を突破し、さらに崩壊することでmRNAを細胞質に導入可能な脂質ナノ粒子材料ssPalmを開発してきた。本研究では、この技術の応用を拡張すべく、臓器標的化が可能なリガンド搭載粒子を開発する。本技術を開発する上で、血管内皮細胞に発現する膜蛋白質に対して結合するリガンドを迅速に同定するとともに、これらを効率的に修飾する方法を確立する。

研究実績の概要

現在、脂質ナノ粒子(LNP)を用いたRNA創薬が大きく加速している。一方、現在進行中の臨床試験を含め、血中投与型LNP製剤の標的臓器は肝臓に限定されている。RNA医薬の用途を拡張するためには、肝臓以外の臓器を標的化する必要がある。本研究では、膜蛋白質を標的化するためのリガンドを迅速に探索し、さらにこれらを脂質ナノ粒子の表面に対して再現よく修飾するためのプラットフォームを開発することを目的とする。最終的には、in vivoで特定の臓器あるいは細胞をin vivoレベルで標的化し、mRNAを導入することを可能とするRNA製剤の開発を目指す。
基盤とする脂質材料として、独自に開発をすすめてきたSS-Cleavable and pH-activated lipid-like material (ssPalm) を用いる。本材料には、細胞内に取り込まれた後にエンドソーム内の酸性pHに応答して正に帯電する第三級アミンユニットと、生体膜(エンドソーム膜)を突破した後には、細胞質の還元環境に応答して自己分解することで、細胞質内へRNAを送達できるジスルフィド結合ならびにフェニルエステル結合が搭載されている。
本研究では、新規のリガンド探索を迅速におこなうため、様々な膜蛋白質を発現させるための技術改良をすすめるとともに、これらを活用して、リガンド結合細胞をソーディングするための一連のプロセス開発についての基礎的検討を実施している。また、従来の抗体修飾方法では搭載したmRNAの封入率を再現性よく、高く維持することが困難であった。そこで、脂質ナノ粒子の製造条件について検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膜蛋白質を発現させた細胞をもちいてリガンドのスクリーニングをおこなうためには、膜蛋白質を発現する細胞が必要である。プラスミドDNAやウイルスを用いた発現系を樹立することがおこなわれてきたが、膜蛋白質の場合、発現効率が悪いことや、継代を繰り返すことにより発現量が落ちること、さらに、一部の細胞にしか発現しないことが明らかとなった。そこで、膜蛋白質を高効率かつ、均一に発現させるための技術開発をすすめている。
また、脂質ナノ粒子の表面に対して抗体搭載を可能とする製剤条件の確立をすすめている。実際、臓器を標的化するための抗体を修飾することにより、特定の臓器や細胞にin vivoでmRNAを導入できることを見いだした。今後、本技術の製剤条件等を改良することにより、mRNAの導入効率を更に向上させる。

今後の研究の推進方策

各臓器由来のプライマリ細胞から蛋白質抽出をおこない質量分析を行っている。本年度は、これらの分析をさらに継続し、臓器特異的に発現する蛋白質があるかについて解析する。
また、抗体をLNPの表面に修飾する技術を開発したが、今後の実用化にむけて、独自のリガンドをみいだす。本探索を簡便行う上では、膜蛋白質を発現させた細胞が不可欠である。膜蛋白質を発現させた細胞を用いた簡便なスクリーニングシステムを開発する。
また、抗体修飾技術について改良をおこない、さらに迅速に標的化脂質ナノ粒子を調製するための条件を見いだす。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)

  • [学会発表] RNA創薬を加速するLNP技術2024

    • 著者名/発表者名
      秋田英万
    • 学会等名
      医療産業イノベーションフォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] RNA/核酸創薬を加速する環境応答性脂質様材料ssPalmの開発2024

    • 著者名/発表者名
      秋田英万
    • 学会等名
      第454回CBI学会研究講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] RNA創薬を加速する環境応答性脂質様材料(ssPalm)2024

    • 著者名/発表者名
      秋田英万
    • 学会等名
      Nano Tech2024
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 次世代送達技術としてのLNP製剤:肝臓以外の送達に向けた期待と課題2024

    • 著者名/発表者名
      秋田英万
    • 学会等名
      日経バイオテク・プロフェッショナルセミナー:次世代の薬物送達技術を俯瞰する
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 脂質ナノ粒子を用いた血液脳関門を構成する脳毛細血管内皮細胞への核酸送達システムの開発2024

    • 著者名/発表者名
      渡邉妃香、櫻井遊、西尾一真、橋本耕平、原田純希、大山遼太朗、中井裕太、丹下耕太、田中浩揮 、秋田英万
    • 学会等名
      日本DDS学会 第39年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

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