研究課題/領域番号 |
23H00555
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30548681)
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研究分担者 |
倉科 佑太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40801535)
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70324548)
三浦 重徳 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (70511244)
遠山 周吾 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (90528192)
石上 玄也 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90581455)
山田 貴大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問研究員 (20837736)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
47,710千円 (直接経費: 36,700千円、間接経費: 11,010千円)
2024年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2023年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
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キーワード | In vitro組織成熟化 / 力学刺激 / hiPSC由来心筋 / ベイズ的最適化 / 自動培養 / in vitro組織成熟化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は筋組織のin vitro 3次元組織形成において「人の介在と思い込み」を排除し,生命科学実験を自動的・自律的に実行可能とする「知能化培養システム」を構築する.この培養システムは,3次元組織培養・力学刺激・蛍光観察が可能な培養モジュールを複数並列して順次的に培養することで,「観察」「計画」「行動」「発見」という科学者の研究サイクルをアルゴリズムとシステムインテグレーション技術により自律的に行い,生命科学の重要な課題である組織成熟化と力学刺激の関連性の解明を目指す.さらに本技術をヒトiPS由来心筋組織に適用することで高度に成熟化したin vitro心筋組織を構築し,医療応用展開を探索する.
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研究実績の概要 |
本年度はまず、1-(a) 並列化した知能化培養システムの構築、に取り組んだ。力学刺激用の3次元培養モジュールのプロトタイプとして、骨格筋細胞C2C12に電気刺激を印加可能なモジュールを設計・作製した。また電気刺激を印加するための並列電流制御アンプ(4 ch x 2台)を準備し、Arduinoを使用したマイコン制御により、並列に8条件の電気刺激を並列で施工できるセットアップが完成した。 同時並行して、2-(a) 三次元組織画像における単一細胞識別、のためにC2C12細胞の膜と核にトランスフェクションにより蛍光標識を付け、それを3次元組織内でリアルタイムにトラッキングすることに成功した。引張進展装置による力学刺激を印加した場合と印加しない場合の両方において、3次元組織内の単一細胞レベルの挙動(migration)の追跡をした結果、両条件とも単一細胞ごとに挙動が異なることが観察された。 また、3-(a) 組織形態の蛍光プローブおよび安定発現株の作製、として筋組織の成熟過程をライブセルイメージングするために,EGFP-CAAX,nls-mCherry,α-actinin-AcGFPの蛍光タグ融合遺伝子コンストラクトを構築し、骨格筋細胞に発現させることを平面培養系で確認した。またそれ以外にも、細胞migrationの方向の指標となるゴルジ体を標識するgolgi-BFPのプローブも構築した。このプローブを用いて、2-(a)における三次元組織の単一細胞トラッキングに適用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画である、1-(a) 並列化した知能化培養システムの構築、2-(a) 三次元組織画像における単一細胞識別、3-(a) 組織形態の蛍光プローブおよび安定発現株の作製に関して、研究業績の概要で記載のとおり実験がすすみ成果が出ている。よって、概ね順調に進展している判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、計画していた研究項目に対して順調に研究が進展した。次年度は、ロボティクスの導入による自動化システムの構築に取り組む。またベイズ的最適化のアルゴリズムによる骨格筋および心筋細胞の力学刺激の最適化の実験サイクルを回すことで、システムの有効性を示すことを目的とする。
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