研究課題
基盤研究(B)
生細胞中には400g/Lの溶質(タンパク質、核酸、膜等)が存在し、非常に込み合った状態にある。一方通常我々が実験を行う試験管内(in vitro)はスカスカである。注目する生体高分子の挙動が、両環境下では異なる事が予想される。生細胞中の生体高分子のNMRシグナルを直接観測するインセルNMR法はこの事を研究するのに適した手法である。我々は2018年に生細胞中核酸のNMRシグナルの観測に世界で初めて成功した。今回は本法及びこれをさらに発展させた新しい方法論も用いて、核酸分子のダイナミクス及びリガンドとの相互作用に関し、試験管内と細胞内とでは違いがあるのかを研究する。