研究課題
基盤研究(B)
近年の腸内細菌研究は,患者糞便を用いた大規模なシーケンス解析によるデータ駆動型研究が主体となりつつあるが,得られた成果の機能的実証方法が未だ整備されていない.本研究は,腸内細菌情報を付与した新規大腸癌オルガノイドバンクを構築し,細菌依存的な発癌過程の分子基盤を理解することを目的とする.本課題におけるオルガノイドバンク事業は従来のものと異なり,患者からオルガノイドを樹立するだけではなく,患者の腸内細菌叢も同時に調べる.本研究であぶり出された候補細菌は,オルガノイド共培養システムを利用して機能的実証実験を実施し,腸内細菌依存的な大腸癌発症原理の新しい理解と洞察を目指す.